2012 Fiscal Year Annual Research Report
金属酸化物の複合化における半導体界面物性の解明と高効率光電変換デバイス応用
Project/Area Number |
12J11240
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
酒井 誠弥 桐蔭横浜大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 半導体 / 酸化亜鉛 / 酸化チタン / 酸化マグネシウム / 酸化亜鉛/酸化チタン / 酸化チタン/酸化マグネシウム / 色素増感太陽電池 / 全固体色素増感太陽電池 |
Research Abstract |
[研究目的] 色素増感型太陽電池をデバイスモデルとして複合型金属酸化物(酸化亜鉛,酸化チタン,酸化マグネシウム)の半導体物性を解明する。 [研究意義および重要性] 本研究は、酸化亜鉛(ZnO)や酸化チタン(TiO2)、酸化マグネシウム(MgO)を簡易な化学処理によって複合化し、その半導体特性を評価するものである。半導体材料は、発光デバイスや透明導電性材料、太陽電池などに応用されており、半導体産業が我々の生活をより利便性を向上させている。半導体材料の用途では、複合化させることで更にデバイス性能を向上できるものが多数あり、本研究のように半導体の複合化および特性評価をすることはデバイス応用の際には特に重要であり、半導体物性を解明することで他種の酸化物半導体への化学処理技術の応用も考えられる。その結果、より高出力なLEDやレーザー、低コスト透明導電性材料などへの技術応用が期待できる。 [研究内容および成果] 酸化亜鉛および酸化チタン複合半導体の半導体物性 ZnOに対してTiCl_1処理をすることでTiO2被覆ZnO半導体を作製した。この複合化半導体の特性として、電解質溶液中に含まれる電子受容体への逆方向電子移動を抑制していることが明らかとなった。また、半導体中の電子伝導帯の下端準位もTiO2で被覆することでZnO単体と比較し、より高いエネルギー位置へとシフトしていることも示唆された。この二つの特性を同時に有することは非常にまれであり、優れた半導体材料であることが証明された。 酸化マグネシウムの効果 ZnO/TiO_2に絶縁体である金属酸化物MgOを被覆させ半導体特性を変化させた。これを色素増感太陽電池に応用し田結果、出力電圧値の向上に成功した。また、TiO_2にMgOを被覆させ形態変化を伴う界面構造の改善も発見することができた。このTiO_2/MgOは他の太陽電池やデバイスの電荷再結合抑制層として応用できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
電解質溶液中における酸化亜鉛および酸化チタン、酸化亜鉛/酸化チタン接合の半導体特性を評価比較することで、酸化亜鉛上における酸化チタンの役割を解明した。また、この内容はアメリカ化学会の学会誌であるJournal o fphysical chemistry Cに受理され、現在発行待ちである。さらに、全固体型色素増感太陽電池の性能が顕著に向上する酸化チタン/酸化マグネシウム複合酸化物を発見し、その特性に関しては現在調査中である。
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Strategy for Future Research Activity |
p型半導体特性を示す有機化合物と酸化亜鉛および酸化チタン、酸化マグネシウムを組み合わせた全固体型色素増感太陽電池をデバイスモデルとしてデバイス性能向上を伴う新規複合層を作製し、半導体特性および複合化の際の形態変化について調査する。 加えて、昨年度よりいくつかの研究報告がなされた半導体特性を示す顔料であるハロゲン系ペロブスカイト無機増感剤を光吸収層としたデバイスを作製し複合化された半導体材料との相互作用を調査する。
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