2012 Fiscal Year Annual Research Report
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12J40037
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
仙石 知子 二松学舎大学, 文学研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | ジェンダー / 中国近世 / 明清小説 / 『三国志演義』 |
Research Abstract |
「毛宗崗本『三国志演義』における女性像の表現」は、『三国志演義』の中に表現された女性像を検討することにより、中国近世社会における女性の位置を明らかにすることを目指す研究である。 平成24年度は、東方学会平成24年度秋季学術大会(2012年11月10日)において、「毛宗崗本『三国志演義』における関羽の義」を報告した。研究対象である毛宗崗本『三国志演義』は、関羽・曹操・諸葛亮を「三絶」に設定し、「三絶」に関する描写が毛宗崗本の特徴の一つとなっている。毛宗崗本の中で、関羽は劉備の妻たちの貞操を汚させるために曹操がしかけた策略に填ることもなく、妻たちを無事、劉備に送り届けている。この場面は、他の『三国志演義』のテキストには見られない。毛宗崗本『三国志演義』における女性の表現を分析するにあたり、関羽の描かれ方の分析も行う必要があったため、今回は関羽について取り上げた。さらに、それを論文にまとめ、東方学会に投稿した結果、「毛宗崗本『三国志演義』における関羽の義」が、『東方学』第百二十六輯(平成25年7月31日刊行予定)に掲載されることになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に沿って順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度には、二つのシンポジウムで報告を行う。一つは、中国社会文化学会2013年度大会シンポジウム「中国のジェンダー構造の歴史的変容」において、「明清女性史研究と毛宗崗本『三国志演義』」を2013年7月7日に報告する予定である」もう一つは、三国志学会シンポジウム「関羽-思想・宗教と文学」において、「毛宗崗本『三国志演義』の受容層について―「秉燭達旦」に描かれた関羽像を手がかりに」を2013年9月21日に報告する予定である。これらは、ともに機関紙の『中国-社会と文化』、『三国志研究』にその成果が掲載されることが定まっている。
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Research Products
(1 results)