2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J40161
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
酒井 麻衣 東海大学, 創造科学技術研究機構, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 社会行動 / 左右性 / 動物行動学 / コミュニケーション / 鯨類 / イルカ / ハクジラ亜目 / 認知科学 |
Research Abstract |
「並泳・接触行動の左右性の種間比較」のために、2013年5月、和歌山県太地町立くじらの博物館にて、マダライルカのオトナメス1頭、ワカオス3頭とスジイルカのワカオス1頭を対象に、接触を伴う社会行動の目視観察およびビデオ撮影を行った。その結果、635例のflipper rubbing(胸ビレで相手をこする行動)、160例のflipper to body contact(胸ビレで相手に触る行動)を記録した。観察したマダライルカのうち3頭はflipper rubbing時に左ヒレを有意に多く使用することが明らかになった。一方、flipper to body contactにおいては全ての個体において有意な左右性は認められなかった。11月、大阪・海遊館にて、オトナオス2個体、オトナメス2個体の接触を伴う社会行動のデータ収集を行った。その結果、オトナオスはほとんど接触を行わないことが明らかになった。2014年3月、名古屋港水族館にてバンドウイルカのオス2頭およびカマイルカのオス1頭の接触行動の予備観察を行った。 「並泳の左右性の分析・接触行動の左偏向の個体発達の分析・母子間の接触行動の左右性の比較・接触行動の個体群間比較」のために、2013年6月および7月、伊豆諸島御蔵島にて野生ミナミハンドウイルカを対象に接触を伴う社会行動・同調行動を水中ビデオ撮影し、データ収集を行った。また御蔵島観光協会より2008年から2010年までのビデオデータを借用し、ラビングの左右性の分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マダライルカにおける社会行動の左右性に関するデータを十分収集でき、これを分析し、社会行動時に左胸びれを使用する個体が多いという結果を得て、国際シンポジウムにて発表を行うことができた。 調査が困難な野生個体のデータ収集も、滞りなく行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
野生個体のデータ分析に時間がかかるため、今後はアルバイトを雇用する等して進めていく。
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Research Products
(11 results)