2013 Fiscal Year Annual Research Report
紛争後の国々の平和構築プロセスにおける環境資源の役割
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12J40189
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮澤 尚里 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 環境資源 / 平和構築 / 市民社会 / 慣習法 / 東ティモール |
Research Abstract |
本研究は紛争後の国の平和構築プロセスにおける、「環境資源の役割」を明らかにすることを目的としている。紛争後の「環境資源の役割」に焦点をあてた研究がこれまでほとんど存在しなかったが故に、平和の構築プロセスにおいて「環境資源」を戦略的に統合させることに失敗してきた。本研究により、紛争後の国々の平和構築プロセスにおいて、効果的な環境資源管理政策の統合を目指すことができるよう、実証と比較分析に基づいた知見を提示することを目標とし研究を進めている。 今年度の具体的な研究内容として、まず紛争後の国家である東ティモールにおいてフィールド調査を行った。その結果、紛争後から開発への過渡期において、政府による統治機能は限定的である状況の中、住民組織が主導で慣習法に基づき環境資源の管理を始め、政府もそれを認識し補い始めてきたプロセスを明らかにした。東ティモールにおいて、独立後法制度が変化し、新政府により慣習法を承認し取り入れる姿勢が打ち出され、慣習法の復活にもつながった。実際の資源管理の状況を見ても、法律と慣習法タラ・バンドゥは大枠では補完的な関係にあることがわかった。特に紛争後の時期において法律は草案段階にあるものが多く、この間に慣習法が果たす役割は大きく、長期的にも共存し併用してゆく方針を政府も提示している。特に、住民の自治の程度と外部メンバーの関わりのあり方は、資源管理の持続性にも影響を与える重要要因として分析された。東ティモールの事例は慣習法に基づく住民主体による資源管理のあり方と、それを評価し補強する政策は住民自治を促進し、他国にも教訓を示すことができると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画よりさらに進展させ分析を進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
筆者によるこれまでの研究による分析枠組みを基礎として、東ティモールにおけるフィールド調査結果を更に分析し、環境資源が平和の定着にどのような役割を持ち、「どのような条件で有効に機能するか」、という「メカニズム」を過去の事例から検証する。
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Research Products
(7 results)