2012 Fiscal Year Annual Research Report
変化順序に基づくヒューマノイドロボットの全身運動学習
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12J57062
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 俊彦 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ヒューマノイドロボット / 模倣学習 / 時系列解析 / ヒューマンロボットインタラクション / 特徴抽出 / データマイニング |
Research Abstract |
ヒューマノイドロボットは近い将来、人間社会で新たな労働力として活躍することが期待される。そのためには、ヒトから教わった運動を模倣し、その経験を状況に合わせて応用する能力が必要となる。なぜならヒトがロボットに平地での歩き方を教えたとして、そこでしか歩けないロボットよりも、その経験を応用して階段や氷の上でも歩けるようになるロボットの方が活躍できるからである。申請者は運動中にセンサ時系列が変化する順序関係に注目した特徴量である変化順序を提案し、ヒトに支えられて歩き方を教わったロボットが支えなしに歩けるようになるまでの時間が短縮できることを示してきたつ 本年度は実施計画の一環として提案特徴量の適用範囲に関する解析を行った。具体的には上体起こしの仕方を学んだロボットが、ヒトの支えなしに上体起こしを再現できることを確認した。また仰向けからの起き上がりという意味で運動の目的が上体起こしと類似する跳ね起きの実験も行った。申請者はItalian Institute of Technologyに赴き、等身大ヒューマノイドロボットiCubを用いてこれらの実験を行った。運動の学習には強化学習を用い、元の運動に類似するほど相関が高くなることを利用し、学習を高速化した。変化順序は多次元時系列間における類似尺度の一種であるため、ユークリッド距離、動的時間伸縮法に基づく類似尺度と比較した。 その結果、従来特徴量と比べて変化順序を用いることで、支えのない上体起こしを学習するまでに必要な時間が短縮できることが確認された。また跳ね起きと立ち上がるには至らないが成功に近い準跳ね起きの実験データを収集した。解析から上体起こしと跳ね起きに共通する部分が少ないが、上体起こしから準跳ね起き、跳ね起きと経由することで運動獲得までの高速化が行えることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は提案特徴量の適用範囲に関する解析を行うため、等身大ヒューマノイドロボットiCubを用いてヒトの支えを受けた上体起こし、支えのない上体起こし、動的な跳ね起きを実機実験において実施した。その結果、歩行だけではなく上体起こしにも提案手法が適用可能であることが確認された。またヒトに支えられて行った上体起こしの経験の適用範囲に跳ね起きは含まれないが、準跳ね起きを経由することで利用可能であることも示唆する結果を得た。その結果、手法の適用範囲に関する重要な知見を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従い、Dynamic Motion Primitive(DMP)と提案する運動特徴量、変化順序を統合した模倣学習システムの開発を行う。また運動学習に利用するための階層型強化学習を実装する。これはactor-criticを下位層、Q学習を上位層に配置したもので、ヒューマノイドロボットの全身運動学習に効果的であることが知られている。最終的に提案手法をシミュレーションおよび実機実験によって検証する。
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Research Products
(3 results)