2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13002001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 孝治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20201379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下浦 享 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10170995)
梶野 敏貴 国立天文台, 理論研究部, 助教授 (20169444)
水崎 高浩 専修大学, 法学部, 助教授 (50251400)
本間 道雄 会津大学, コンピューター理工学部, 講師 (40264569)
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Keywords | 原子核構造 / 殻模型 / 殻進化 / モンテカルロ殻模型 / 不安定原子核 / テンソル力 / エキゾチック原子核 / 核子間有効相互作用 |
Research Abstract |
研究活動は順調に発展し、主に次の分野での進展があった。先ず、pf殻領域核の計算を継続し、特に天体核現象で重要になる、ニュートリノと原子核の反応についての計算を始めた。pf殻にg9/2軌道を加え、f7/2軌道は含めたり、凍結したりしながら、その模型空間での有効相互作用を探究した。有効相互作用として、第一段階のものが得られ、それで質量数が60位から100位までの原子核の系統的な研究を行なった。エネルギーレベルや電磁遷移行列要素に加えて、ベータ崩壊の計算も行い、特に、二重ベータ崩壊の計算を開始した。現在、さらに上の軌道を入れた計算を行うべく準備中である。軽い方の原子核に関しては、sd殻を完全に含みpf殻については下の半分少しを含む計算をやってきて、大きな成功を収めてきた。そこでもちいる有効相互作用はテンソル力の効果を正しく含むので、シェルギャップの変化が自然に得られ、それが最近の不安定核実験で明らかにされつつある。その関係で、国際共同研究によるPRL論文が2篇出版された。前後するが、テンソル力によるモノポール効果の論文がやはりPRLに出版され、殻進化のメカニズムを与え、予言をする理論として今後この分野に大きな影響を与えると予想される。sd殻に加えて、pf殻も完全に含んだ模型空間での有効相互作用を求めて、より不安定な原子核の構造の探究を行っている。一方、重い原子核に対しては、Xeアイソトープでの磁気モーメントの計算に世界で始めて成功し、しかも実験にもよく一致している。重い原子核での殻構造の研究を、中心力ポテンシャルばかりでなく、テンソル力も含んだ新しい平均場理論により系統的に進めた。極めて軽いp殻原子核の研究も炭素の不安定アイソトープを中心に進めた。
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Research Products
(8 results)