2003 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量G蛋白質Rhoの情報伝達と生理的意義の研究
Project/Area Number |
13002007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
成宮 周 京都大学, 医学研究科, 教授 (70144350)
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Keywords | Rho / ROCK(Rho kinase) / mDia / 神経突起形成 / ROCK-II欠損マウス / アクチン / 微小管 / 染色体分離 |
Research Abstract |
低分子量G蛋白質Rhoは、下流のエフェクターに働いてその作用を発揮する。我々は、これまで、主たるRhoエフェクターとしてROCK(Rhoキナーゼ)とformin蛋白質であるmDiaを発見している。そこで、これらについて以下の解析を行った。 1.ROCKのアイソフォームの一つ、ROCK-II,の遺伝子欠損マウスを作出し、ホモ欠損マウスが胎盤labyrinth layerでの血栓形成により子宮内発育遅延を起こし大半が胎生後期に死亡することを見出した。 2.培養小脳顆粒細胞を用いて軸索形成におけるRhoの情報伝達を解析し、RhoがSDF1aの下流で活性化されること、この活性化の程度により軸索の伸長と退縮が起こること、Rhoは前者では主にmDiaに、後者ではROCKに働いて、反対の作用を発現することを明らかにした。 3.mDiaの細胞骨格に対する機能を解析し、これが細胞内で真直ぐな長いアクチン線維の形成を触媒することを見出した。また、このアクチン重合に関わるコアドメインを結晶化し、X線結晶解析でその構造を明らかにした。 4.mDiaによる徴小管安定化について解析し、そのアイソフォームの一つ、mDia3、が、分裂期紡錘体微小管のキネトコアヘの結合を安定化することにより、染色体分離に関係することを見出した。また、この上流にはCdc42(または、その近縁蛋白質)が働いていることを明らかにした。 5.細胞質分裂時に働くRhoエフェクターであるcitronキナーゼのミオシンに対するリン酸化活性を検討し、これがミオシンのdiphosphorylaitonを優先的に起こすことを見出した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Arakawa, Y., et al.: "Control of axon elongation via an SDF-1α/Rho/mDia pathway in cultured cerebellar granule neurons."Journal of Cell Biology. 161. 381-391 (2003)
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[Publications] Dean, T., et al.: "Targeted disrupton of the mouse Rho-associated kinase 2 (mROCK-II) gene results in intrauterine growth retardation and fetal death."Molecular and Cellular Biology. 23. 5043-5055 (2003)
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[Publications] Yamashiro, S., et al.: "Citron Kinase, a Rho-dependent Kinase, Induces Di-phosphorylation of Regulatory Light Chain of Myosin II."Mol.Biol.Cell. 14. 1745-1756 (2003)
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[Publications] Shimada, A., et al.: "The Core FH2 Domain of Diaphanous related Formins is an elongated barbed-end binding Protein that inhibits Polymerization."Molecular Cell. 13. 511-522 (2004)
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[Publications] Higashida, C., et al.: "Actin polymerization-driven molecular movement of mDia1 in living cells."Science. In press. (2004)
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[Publications] Yasuda, S., et al.: "Cdc42 and mDia3 regulate microtubule attachment to kinetochores."Nature. In press. (2004)