2001 Fiscal Year Annual Research Report
HIV-1 RevによるウイルスmRNA核外輸送系の作動機作解析
Project/Area Number |
13015225
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
木村 富紀 関西医科大学, 医学部, 助教授 (40186325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 章嗣 関西医科大学, 医学部, 講師 (30174775)
西川 正雄 関西医科大学, 医学部, 助手 (40218136)
藤澤 順一 関西医科大学, 医学部, 教授 (40181341)
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Keywords | HIV-1 Rev / mRNA核外輸送 / イントロンレスmRNA / CRM1 / Ran / CTE / mRNA輸送因子の階層性 |
Research Abstract |
我々はこれ迄に、HIV-1 Rev蛋白の共発現がルシフェラーゼ(Luc)cDNA発現ベクターpRSVluc-wtの活性を抑制し、これがmRNAの核外輸送の抑制に原因する事から、イントロンを持たないmRNAの核外輸送において、Revを介したウイルスmRNAの核外輸送の場合と共通の細胞因子が利用される可能性を示してきた。本年度は、このLuc mRNA核外輸送の抑制がイントロンを持たない事に起因することを明らかにするため、同ベクター3'非翻訳領域にβ-globinのイントロン(pRSVluc-int)或いはSRV-1 CTE配列(pRSVluc-CTE)を挿入し、Rev発現の影響を見た。その結果、Revの共発現はint-Luc mRNA核外輸送には影響しなかったが、CTE-Luc mRNAの輸送を抑制した。この核外輸送抑制は、wt-Luc mRNAの場合と同様、Ranの共発現で解除される事から、CTEを介したmRNA輸送にもRanが関与する事が示唆された。一方、Rev核外輸送シグナルレセプターCRM1の阻害薬LMBの効果を検討したところ、wt-Luc mRNAの核外輸送のみが抑制されたにも関わらず、CRMIに結合し機能を抑制するnucleoporin CANのドミナントネガティブ変異体ΔCANの共発現は、wt-とint-Luc mRNAの双方の輸送を抑制した。これらの事実は、イントロンレスmRNAの核外輪送においては、Rev依存性RNA核外輸送系と同様、Ran及びCRM1が共通に利用されるが、スプライシングを受けたmRNAの輸送には、代わってCAN結合性の第2の輸送因子であるTAPが関与する可能性を示す。従って、RevによるイントロンレスmRNAの核外輸送抑制は、イントロンの有無により輸送因子が使い分けられる結果、後者がRevと因子を共有するようになった為と考えられた。
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