2001 Fiscal Year Annual Research Report
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13019203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
堀 博文 静岡大学, 人文学部, 助教授 (10283326)
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Keywords | ハイダ語 / 北米先住民諸語 / 形態論 / 言語類型論 |
Research Abstract |
本研究課題は,カナダのブリティッシュ・コロンビア州クィーン・シャーロット諸島スキドゲイトで話されるハイダ語スキドゲイト方言(以下,ハイダ語とする)の形態統語法を中心とした記述研究と,言語類型論的観点からみたハイダ語の特質を考察することを主たる目的とするものである.本年度の研究成果は以下のようにまとめられる. (1)2001年7月末より同年9月初旬まで,上記の地に滞在し,ハイダ語話者5名の協力を得て,形態統語法を中心とした調査を行なった.調査の概要は以下の通りである. 1)動詞形態法に関わるものとして,派生接辞の機能と承接順序,更にテンス・アスペクトを表わす語尾の機能について調査を行なった. 2)統語法の解明のために,ハイダ語の談話資料を蒐集した. 3)辞書整備のための基礎作業として,主に動詞と名詞の語彙調査を行なった. 尚,調査の音声資料は,永年保存に耐えられるように,デジタル・オーディオ・テープ(DAT)やCD-Rなどのデジタル媒体に記録した. (2)ハイダ語の言語類型論的特質を考察するために,北アメリカ北西海岸地域で話される他の先住民諸言語に関する文献の蒐集を行なった. (3)これまでの調査で得たハイダ語の音声資料をアナログ媒体からデジタル媒体に変換する作業を行なった. (4)これまでの調査資料(ノートなど)をPDFファイルなどの電子媒体に変換するための基礎作業を行なった. ハイダ語の話者が高齢者に限られている現状をみれば,現地調査において話者から資料を直接得るのが今後ますます困難になることが予想され,現地調査の缺を補うためにも,過去の資料を整備していくことを検討していなくてはならないであろう.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 堀博文: "ハイダ語の類別接頭辞について"津曲敏郎(編)環北太平洋の言語(大阪学院大学情報学部). 第7号. 35-50 (2001)
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[Publications] Hori Hirofumi: "Classifiers in Skidegate Haida"Miyaoka and Endo (eds.), Languages of the North Pacific Rim(Faculty of Informatics, Osaka Gakuin University). 第6号. 141-155 (2001)
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[Publications] 堀博文: "ハイダ語(北米インディアン諸語)の声調について"音声研究(日本音声学会). 第5巻1号. 28-36 (2001)