Research Abstract |
本研究は,地理(学)教育に役立っ教材用インターネットGISを開発し,その有効性を検討することを目的と インターネットGISは,1)処理をサーバ側中心で行うもの,2)処理を利用者側中心で行うものに大別できる.本研究では,プログラムやデータをサーバにおき,実際の処理を利用者側が担当する2)の方式を採用したこの方式は1)と比べて,より敏速かつ機動的に処理を行えるメリットがある.ソフトウェアやデータのアップデートは,サーバ側だけで行うことができ,クライアント側で設定する必要はない。システムで使用するメタデータは,MSアクセスで作成されたデータベースに格納するようにした地図データは,ESRI社の公開フォーマットであるシェープファイル形式で格納され,さらに転送時間を高速にするために,ZIP形式で圧縮されている。このため,ファイルサイズは,従来の旧システムと比べ平均して半分になり,転送速度は約2倍に向上している.属性データは,MSアクセスのデータベースファイルにすべて納められている.クライアント側のプログラムは,イギリスLeeds大学地理学科のCentre for Computational GeographyがJavaで開発したフリーウェアのGISエンジンGeoTools(http://www.ccgleeds.ac.uk/geotools/)をベースにし,機能を追加して開発したJavaアプレットである. このインターネットGISは,主題図の作成・情報表示,地図の拡大・縮小,条件検索,グラフ表示,探索的空間分析,多変量解析,オンデマンドなどの機能を備えている.利用者(ユーザ)は,インターネットを通して多様な属性データおよび行政界地図データにアクセスし,それらをネットワーク上で結びつけて,各種の主題図を作成するとともに,多様な統計処理を行うことができる.本システムは,複数の年次および地域に対応するため,RDBMS(リレーショナル・データベース・システム)を活用している.
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