2003 Fiscal Year Annual Research Report
我邦舶載宋版一切経の「刊・印・修」に関する書誌学的基礎研究
Project/Area Number |
13021239
|
Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
牧野 和夫 実践女子大学, 文学部, 教授 (70123081)
|
Keywords | 宋版 / 刊・印・修 / 混合帖 / 東禅寺版 / 開元寺版 / 天海版 / 活字 |
Research Abstract |
本年度は,継続している本源寺蔵宋版一切経の調査目標(約三百帖)を完了し,残すところ約二百五十帖のみとなる。平成十六年度を以って,一応終了する見通しとなった。調査データを分析しつつ,順次,問題点をとりあげて,論文化して公刊していくが,そのうちの一点についてふれておくならば,東禅寺版主体の帖に開元寺版の一枚ないし二枚の刷印葉が混入する"混合帖"(野沢氏が開元寺版主体の帖で発見命名)の存在を確認しえたことを始め,少なからぬ新発見となる成果があった。五月の研究集会での口頭発表を予定している。 又,一方,東アジアにおける刊一切経の視点から調査に参加してきた寛永寺蔵天海版活字の調査(平成十年〜十三年:課題「寛永寺蔵天海版木活字を中心とした出版文化財の調査・分類・保存に関する総合的調査」)を更に展開し,近世における出版書肆(慶元堂)の関与と刷印の実際を追及し,「天保四年刊天海版追雕活字使用『仁王護国般若波羅蜜経』について」を公刊した。化政期以降の天海版の管理等を考える上で、慶元堂という出版書肆と寛永寺蔵板木類(大正期調書)との関係についてふれる予定である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 牧野和夫: "幕末・明治期における古典継承(「日記」から「さらし」へ)の一型態"実踐國文学. 65号. (2004)
-
[Publications] 牧野和夫: ""集古会"林若樹の年賀絵葉書帖をめぐる蒐集家たち"彷書月刊. 216号. 3 (2003)
-
[Publications] 牧野和夫: "天保四年刊天海版追雕活字使用『仁王護国般若波羅蜜経』について"実践國文學. 64号. 14 (2003)
-
[Publications] 牧野和夫: "北東アジアにおける説話の展開-"本地物"の一側面-"韓國日本文化學報. 19輯. 10 (2003)