2004 Fiscal Year Annual Research Report
我邦舶載宋版一切経の「刊・印・修」に関する書誌学的基礎研究
Project/Area Number |
13021239
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
牧野 和夫 実践女子大学, 文学部, 教授 (70123081)
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Keywords | 本源寺蔵宋版一切経 / 東寺蔵宋版一切経 / 混合帖 / 東禅寺版 / 開元寺版 / 慶政 / 了行 / 意教 |
Research Abstract |
宋版一切経の「修」に認められる日本人僧「慶政」を軸に、版刻史上の問題点を具体的に解明した。既に平成15年度までに解明し終えている慶政上人の「修」板への関与の時期を別にして、同じく「修」板への関与が認められる日本人僧「了行」「意教」の、おおよその解明も終えている。本年度は舶載現存東禅寺版一切経の各セットの刷印時期の先後関係、更に東禅寺版・開元寺版との刷印・製本時の交渉を予想させる好個の「実物例」となるものであるが、いわゆる「混合帖」の「実例」の発見確認・調査整理を中心に研究を行った。とくに前年度より継続中の愛知県の祖父江町の本源寺の蔵する宋版一切経の悉皆調査(調書とり)を完了し、記録し終えたことは大きな成果であった。本年第一回(7月30日から8月2日)・第二回(12月17日から20日)の両度の調査によって、495帖の調書とりを終え、2108帖に及ぶ全帖調査が完了したことになる。その結果、次の諸点が解明された。 1、本源寺蔵一切経中の東禅寺版には、開元寺版の一板分の流用した例が少なくないこと。 2、東寺蔵一切経中の東禅寺版にも、開元寺版の一板分の流用した可能性の高いものがみつかったこと。 3、東寺蔵一切経本東禅寺版と本源寺蔵一切経本東禅寺版の刷印時期の先後の関係に関しては、東寺蔵宋版一切経の内の東禅寺版の刷印時期は、本源寺蔵宋版一切経の内の東禅寺版の刷印時期に先行する可能性が頗る高いこと。 などである。併行して行っている醍醐寺蔵宋版一切経調査によって、江蘇版刻史上、極めて有益な版刻資料を発見確認し、紹介を終えた。
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Research Products
(4 results)