2004 Fiscal Year Annual Research Report
宋以後の坊刻本を中心とする刊本の編集・出版等に関する研究
Project/Area Number |
13021240
|
Research Institution | Daitou Bunka University |
Principal Investigator |
小川 陽一 大東文化大学, 文学部, 教授 (30007356)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 謡司 大東文化大学, 文学部, 助教授 (00286915)
|
Keywords | 明清 / 書店 / 書画骨董店 / 小説戯曲 / 挿絵 / 足利学校 / 金沢文庫 / 書誌 |
Research Abstract |
小川陽一:明清の小説・戯曲には、当時の書店・書画骨董店を描いた場面を種々見出すことができる。そこには、店の内外の景観、開店開業までの準備状況<資本金、書籍の仕入れ方、書籍の種類、価格、店舗のしつらえ、開業に先立つ宣伝、挨拶回り、祝賀行事など>、書店の営業形態<文房具・書画骨董も扱う多面的な経営>、その書画骨董には贋作が多いこと、贋作の供給形態等々、書店に関わる描写や叙述が、大規模に、或いは零細な形で、収められている。さらにはそれらの小説・戯曲の挿絵の中に、書店・書画骨董店の絵が付されている場合もあり、これらを併せ用いることによって、この時期の書店・書画骨董店を、外的な景観や、内的な運営面から理解することがある程度可能になった。これによって社会経済的な統計資料や数値だけでは見えてこない出版文化に関する隠微でファジーな側面を見ることができた。 山口謡司:わが国の江戸時代には夥しい版種の『古文真宝』が刊行されたが、この覆刻・蔵版主などについては、まだ明らかになっていない。朝鮮版・明版など中国で流布した『古文真宝』との関係も含めて、江戸時代前期以降に読まれたテキストの書誌学的考察を行い、この方面の情況を明らかにした。
|
Research Products
(4 results)