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2004 Fiscal Year Annual Research Report

中国における才子佳人小説の出版と朝鮮・越南・日本への影響

Research Project

Project/Area Number 13021252
Research InstitutionTakaoka National College

Principal Investigator

磯部 祐子  国立大学法人高岡短期大学, 地域ビジネス学科, 教授 (00161696)

Keywords日本 / 朝鮮半島 / 越南 / 中国 / 才子佳人小説 / 二度梅 / 好逑伝
Research Abstract

本年度は、『二度梅』『好逑伝』の中国における出版の状況、及び、この作品の朝鮮半島、越南、日本における受容の相違を中心に考察した。その結果、朝鮮半島、越南、日本の国々は同じ漢字文化圏に属し、ともに中国の文化に憧憬を抱き、新たな作品を求め受容していったにもかかわらず、その受容には大きな相違が存在したことを指摘する。
すなわち、朝鮮半島では、名教を重んずる厳格な小説『好逑伝』が受容され、ハングル訳も生み出された。反して、『二度梅』のような「男の操」を説く小説が読まれたなどの記載は存在しない。儒教倫理と相容れないものであるからであると思われる。
日本においては、馬琴に見るように、新たな作品を創作するために新奇性を求めようとして中国の小説が好まれた。『二度梅』にみる「男の操」、『好逑伝』に色濃い「義侠」のテーマが、新奇性があるものとして、日本の作品に取り入れられていった。また、江戸後期には平手順益の例に見るように、好事家たちは中国才子佳人小説を自由に収集していた。
一方、越南では、中国南方の木魚書などの口承演芸の流行に影響されながらも、人々の生活に根ざし、その辛苦や流浪の悲しみを浄化する作品を求めていった。越南の歴史にもあったに違いない流浪の女性の悲しみへの共鳴、そしてそれを断固として拒み、自害して果てる様への共感が一つの読者層を形成したと思われる。このような受容の相違は、ただ才子佳人小説受容の相違のみならず、アジアにおける出版交流の一特徴、及びアジア各地域の文学観の相違をも浮き彫りにしている。

  • Research Products

    (6 results)

All 2005 2004 2003 2002

All Journal Article (6 results)

  • [Journal Article] 中国民間演劇の現状-紹興の蓮花落、鸚哥班、宝巻を中心に-2005

    • Author(s)
      磯部祐子
    • Journal Title

      高岡短期大学紀要 vol.20(印刷中)

  • [Journal Article] 関於才子佳人小説在東亜伝播的特徴-以『二度梅』、『好逑伝』為2005

    • Author(s)
      磯部祐子
    • Journal Title

      中国古代小説研究 (印刷中)

  • [Journal Article] 中国才子佳人小説の版本と諸外国への影響-「金雲翹傳」と「玉嬌梨」を例に-2004

    • Author(s)
      磯部祐子
    • Journal Title

      東アジア出版文化研究こはく

      Pages: 263-276

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] 中国民間演劇の再燃2004

    • Author(s)
      磯部祐子
    • Journal Title

      高岡短期大学紀要 vol.19

      Pages: 159-170

  • [Journal Article] 中国才了佳人小説の影響-馬琴の場合--2003

    • Author(s)
      磯部祐子
    • Journal Title

      高岡短期大学紀要 vol.18

      Pages: 223-233

  • [Journal Article] 才子佳人小説対東亜各国的影響-以「金雲翹傳」和「玉嬌梨」為例-2002

    • Author(s)
      磯部祐子
    • Journal Title

      第二届中国古代小説国際研討会論文集

      Pages: 478-484

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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