2002 Fiscal Year Annual Research Report
ポリペプチドのヘリックスセンスの可逆な反転を利用したコレステリック液晶シンクロ材料
Project/Area Number |
13022220
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 順次 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90111666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸木田 雅利 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30301170)
川内 進 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80204676)
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Keywords | ポリペプチド / 水素結合 / ヘリックス-ヘリックス転移 / らせん反転 / α-ヘリックス / ポリアスパルテート / 秩序-秩序転移 |
Research Abstract |
L体アミノ酸からなるポリペプチドは右巻きα-ヘリックスを形成する。しかし、ポリL-アスパルテートは、側鎖種や溶媒種に依存して左巻きらせんも形成する。そればかりか、特異な溶媒系では温度の昇降によりその巻き性を反転させたりもする。本研究では、さらに、希薄溶液系のみならず、濃厚溶液のコレステリック液晶でも巻き性反転が認められ、この場合同時に巨視的なコレステリックらせんのセンスまでも反転させる。また、ポリ(β-フェニルプロピルL-アスパルテート)(3PLA)においては、固体状態でも可逆ならせん反転が起こることも見つけ、巻き性の異なる二つのらせん構造、らせん反転の機構そして原動力について、多くの測定手段、X線、IR、NMR、ORDなどを幅広く利用することで明らかにした。その結果、右巻きらせんは18残基で5回転したα-ヘリックス、左巻きは4残基で1回転したω-ヘリックスであること、またらせん反転は規則正しく充填した、限られた円柱状の空間で起こる一次元の秩序-秩序転移であること、そして側鎖構造の精密解析を通して、2種のヘリックス形態で形態が大きく変わることを明らかにし、その駆動力が側鎖の形態の自由度が生み出すエントロピー力であることを示唆することができた。 また、本研究は溶液中でα-ヘリックスとして溶解しているL体およびD体高分子が相互に混合されると、沈殿を生じるという興味ある現象にも言及している。これは分子間の水素結合が切れ、D、L分子間での水素結合が形成されたD, Lコンプレックスの形成によるものであることを示し、狂牛病との相関についても触れてある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Sakajiri, E.Kawasaki, J.Watanabe: "Distinct complex precipitating from racemic solution of poly(β-benzyl D-aspartate) and poly(β-benzyl L-aspartate)"Macromolecules. 34. 7238-7240 (2001)
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[Publications] K.Sakajiri, S.Ando, S.Saeki, S.Kawauchi, J.Watanabe: "Computation Analyses of Side Chain Conformations in Polyaspartated Solids Exhibiting Reversible Helical Sence Inversion"J.Mol.Struct.. 610. 197-205 (2002)