2001 Fiscal Year Annual Research Report
光励起に同調した超高速複素屈折率変化に基づく分子フォトニクスデバイスの構築
Project/Area Number |
13022230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
長村 利彦 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (90117200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川井 秀記 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (80324341)
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Keywords | 並列光情報処理 / 導波モード薄膜 / 複素屈折率変化 / フォトクロミズム / フェムト秒レーザー / スピロピラン |
Research Abstract |
有機化合物では光励起によりフェムト秒オーダーで電子状態が大きく変わり、それと同調して吸収スペクトル・屈折率などが変化する。このような特性を最大限に並列光情報処理に活用するため、我々は最近、プリズム・ガラス・金属・色素ドーブ高分子膜からなる導波モード薄膜の光励起あるいは光反応による複素屈折率変化を空間光変調や並列光スイッチングに用いる新しい方式を提案した。これは導波モード条件が複素屈折率変化に非常に敏感に依存することを用いて、書込光に同期して読み出し光の反射強度あるいは位相を二次元的に超高速制御できる新しい方式である。 本年度は、光誘起電子移動やフォトクロミズムに基づくさらに速い応答を実現すべく、フェムト秒レーザーをポンプ光およびプローブ光とする測定系の構築をまず行った。フォトクロミックスピロピランを高分子膜に分散して銀薄膜を介してプリズムと結合した導波モード薄膜をフェムト秒Ti:サファイアレーザーの2倍波(400nm)により励起し、基本波を重水/水に集光して得られるフェムト秒白色光をプローブ光として、反射率スペクトルをマルチチャンネルフォトダイオードアレイで計測した。 入射角に依存した波長で白色光スペクトルに反射強度の低下が見られ、これが導波モードのディップに対応することがわかった。例えば入射角53.0度では、561nmにディップ見られるが、ポンプ光の照射によって着色体のフォトメロシアニンが生成すると短波長側にシフトし、同時に反射強度が増加した。543.5nmのCW He-Neレーザー照射によって無色のスピロピラン体に戻ると長波長シフトと反射強度低下がみられた。他の入射角(波長)では、スピロピラン薄膜のフォトクロミズムによる複素屈折率変化によく対応した応答が観測された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Toshihiko Nagamura: "Ultrafast reflection control based on photoinduced complex refractive index changes in guided mode thin films containing indium phthalocyanine"Molecular Crystals and Liquid Crystals. 370. 97-102 (2001)
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[Publications] 長村利彦: "超高速・超高密度フォトニック分子メモリーの現状と展望"ファインケミカル. 30(20). 1-12 (2001)
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[Publications] Hideki Kawai: "White light waveguide detection of transient absorption sspectra in ultrathin organic films upon pulsed laser excitation"Chemistry Letters. (12). 1300-1301 (2001)
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[Publications] 長村利彦: "超高密度・超高速フォトンモード分子メモリをつくる"化学. 57(1). 24-27 (2001)
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[Publications] Toshihiko Nagamura: "Ultrafast all-optical spatial light modulation based on complex refractive index changes of copper phthalocyanine-doped polymer film upon"Optics Communications. (in press).
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[Publications] Toshihiko Nakamura: "Sensors and Optical Switching, Chapt.9"Marcel Dekker, Inc., New York. 519 (2001)