2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13022253
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 敬二 九州大学, 工学研究院, 助手 (20325509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 裕嗣 九州大学, 工学研究院, 助教授 (50186201)
高原 淳 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授 (20163305)
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Keywords | 分子シンクロナイゼーション / アゾベンゼン誘導体 / 走査フォース顕微鏡 / ナノ加工 |
Research Abstract |
始めに、構造制御され、かつ、欠陥が著しく少ない結晶性(光応答性分子/脂肪酸)混合単分子膜を構築する必要がある。ここでの問題点は、1)結晶性単分子膜中で光応答性分子が光異性化できるか、また、2)混合系が分子状に分散できるか、という二点である。現在までに、カルボキシル基を有するアゾベンゼン誘導体(4-octyl-4'-(5-carboxypenta-methyleneoxy)azobenzene)(8Az5)とステアリン酸(SA)からなる混合単分子膜を水面上で調整し、上記1,2)の問題点について検討した。室温での単分子膜の電子線回折像はデバイリングを示し、混合単分子膜は結晶状態にあることを確認した。このような擬二次元結晶中においても光応答性分子の光異性化が可能であることを明らかにしたが、8Az5とSAは室温で非相溶であった。 混合単分子膜の相溶性は、両者の線張力および双極子モーメントのバランスによって決定される。このため、両親媒性光応答分子の親水部に双性イオン官能基を導入することにより、分子状に分散した結晶性(光応答性分子/脂肪酸)混合単分子膜の構築が可能となるものと考えた。そこで、8Az5の代わりとなるツビッターイオン型の光応答性分子、4-(4'-octyloxyazobenzene)oxydecyl(2-hydroxyethyl)dimethyl ammonium bromide(8Az10)、を提供していただき、気/水界面におけるSAとの相溶性について検計した。その結果、8Az10分率が20mol%以下程度の限られた組成領域で、混合単分子膜は相溶状態にあることが明らかとなった。また、8Az10分率が40mol%の場合、単分子膜ではほとんど報告例のない、明確なラメラ状のメゾスコピック相分離構造が観察された。この系についても今後詳細に検討する予定である。 相溶状態にある(8Az10/SA)(20/80mol%)混合単分子膜をシリコンウエハー上に移し取り、超微細化工の予備的検討を行った。しかしながら、(8Az10/SA)(20/80mol%)単分子膜はAFM観察中に膜が崩壊(破壊)しやすいことがわかった。このため、現在は、SAの代わりに結晶性の脂肪酸として凝集力の強いリグノセリン酸(LA)を用いて実験を行っている。これまでの相溶性(8Az10/LA)(10/90mol%)混合単分子膜を用いた予備的実験において、紫外光照射前後で膜の力学的強度が著しく変化することを見いだしている。今後更なる検討を行う予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] D.Kawaguchi, K.Tanaka, A.Takahara, T.Kajiyama: "Surface Mobile layer of Polystyrene Film below Bulk Glass Transition Temperature"Macromolecules. 34(18). 6164-6166 (2001)
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[Publications] N.Satomi, K.Tanaka, A.Takahara, T.Kajiyama: "Effect of Internal Bulk Phase on Surface Viscoelastic Properties by Scanning Probe Microscopy"Macromolecules. 34(18). 6420-6423 (2001)
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[Publications] N.Satomi, K.Tanaka, A.Takahara, T.Kajiyama: "Surface Molecular Motion of Monodisperse a, w-Diamino-Terminated and a, w-Dicaroxy-Terminated Polystyrenes"Macromolecules. 34(25). 8761-8767 (2001)
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[Publications] K.Kojio, K.Tanaka, A.Takahara, T.Kajiyama: "Novel Method to Prepare Organisilane Monolayers on Solid Substrate"Bull. Chem. Soc. Jpn.. 74(8). 1397-1401 (2001)
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[Publications] H.-Q.Xiang, K.Tanaka, A.Takahara, T.Kajiyama: "Reversible Reduction and Reoxidation of Langmuir-Blodgett Films of Octacyanophtalocyanine Dilithium Complex"Chem. Lett.. 2001(7). 536-537 (2001)
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[Publications] X.Jiang, K.Tanaka, A.Sakai, A.Takahara, T.Kajiyama: "Surface Relaxation Behavior of Proton-and Perfluoroalkyl-terminated Poly(2-vinylpyridine) Films"Polymer. 42. 8959-8964 (2001)
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[Publications] 梶山千里, 田中敬二, 高原 淳: "機能材料(高分子固体膜表面における分子鎖熱運動性の制御因子)"シーエムシー出版. 7 (2001)