2001 Fiscal Year Annual Research Report
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13022254
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 淳 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30136551)
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Keywords | 分子シンクロ / 分子組織体 / 人工光合成 / 金ナノ粒子 / 表面プラズモン / 光電変換デバイス |
Research Abstract |
電気化学的傾斜構造を持つ光同調性分子ユニットを二次元、三次元空間に配列させた分子組織系を構成し、色素間のシンクロ現象によるカスケード的な電子移動の向上と電子拡散効果の発現による画期的な光電変換システムの実現を本研究の目的とする。すなわち、電荷分離型色素を金電極や金微粒子表面に化学修飾し、二次元、三次元の電子移動場を構成する。光に同調した色素間のシンクロ現象による電子拡散効果や、表面プラズモン効果による光-色素シンクロ現象を利用した電荷分離状態を原理とする光電変換の増幅を図る。今年度の成果を以下に示す。 (1)電荷分離型色素として、ルテニウム錯体、ポルフィリン、ビオローゲンを用いた。自己組織化法により高密度に配列した色素単分子膜を作製し、光電流と電荷分離色素の種類と密度との関係について検討した。その結果、ルテニウム錯体を用いた場合、高密度化に伴い、光励起に同調した電子移動と、電子移動に誘発される受容体間のシンクロナイゼーションによる逆電子移動の抑制が起こることを見出した。 (2)金ナノ粒子と色素とを交互に自己組織化したハイブリッド構造の三次元集積体を電極表面に構築した。電子顕微鏡観察や吸収スペクトル測定により交互組織化の回数と光電流の関係を定量的に検討した。その結果、金ナノ粒子の積層化が相乗的に進行するとともに、それに対応する光電流増強を見出した。 (3)金ナノ粒子が配列した"金微粒子電極"を作製した。この電極に色素を自己組織化させた。金ナノ粒子の量を増加させると、構成された多孔性空間での電解質拡散が影響を及ぼすようになり、光電流の増強が鈍る傾向を示した。この点を克服するために、サイズの異なる金ナノ粒子を混合させ、メゾスコピック構造の三次元空間を構成中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Niidome et al.: "Deposition of Thiol-Passivated Gold Nanoparticles onto Glass Plates by Pulsed 532-nm Laser Irradiation : Effects of Thiol"Studies in Surface Science and Catalysis. vol.132. 359-362 (2001)
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[Publications] Y.Niidome et al.: "Laser-Induced Deposition of Gold Nanoparticles onto Glass Substrates in Cyclohexane"Nano Letters. vol.1 No.7. 365-369 (2001)
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[Publications] 山田淳: "自己組織化を活用した分子太陽電池"信学技報. vol.101 No.22. 37-41 (2001)
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[Publications] S.Yamada et al.: "Construction of Gold Nanoparticle-Ruthenium(II) Tris(2,2'-bipyridine) Self-Assembled Multistructures and Their Photocurrent Responses"Thin Solid Films. vol.393. 273-277 (2001)
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[Publications] S.Yamada et al.: "Facile Fabrication of Photoelectrochemical Assemblies Consisting of Gold Nanoparticles and a Tris(2,2'-bipyridine)ruthenium(II)-Viologen Linked Thiol"Langmuir. vol.17. 5714-5716 (2001)