2001 Fiscal Year Annual Research Report
π共役電子系とフォトクロミック分子団のシンクロナイゼーションによる発光特性制御
Project/Area Number |
13022255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河合 壯 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (40221197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畠 誠也 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00325507)
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Keywords | 導電性高分子 / フォトクロミズム / 蛍光 / 蛍光 / レーザー / ジアリールエテン |
Research Abstract |
π共役系蛍光色素とフォトクロミック色素、ジアリールエテンを連結した分子の合成を行った。ジアリールエテン部が閉環体に異性化すると蛍光色素の蛍光発光波長と重なりが生じるため、エネルギー移動が生じて、蛍光が消光される。この色素の可逆的なフォトクロミズムを確認した。実際、開環体では蛍光量子収率が83%であったが、閉環体の蛍光量子収率は0.1%以下に低下した。この色素を用いて、レーザー発振を確認した。さらにレーザー発振の光可逆制御をはじめて達成した。開環状態のジアリールエテンサイトから、蛍光ユニットへのエネルギー移動を抑制する目的で、両者の間にアダマンタンユニットを導入した。この分子に関して、蛍光寿命測定を行ったところ、開環状態で4.9nsec、閉環状態では4psecの蛍光寿命を観測した。開環体においては蛍光量子収率は73%で閉環状態では0.1%以下であった。この場合には、ジアリールエテンサイトの分子構造を制御することにより、開環反応量子収率と閉環反応量子収率を制御することに成功し、蛍光強度の最大消光率96%を達成した。この色素を用いて、共焦点レーザー走査顕微鏡により高密度光記録の可能性を検討し、200Mbit程度の高密度光記録が可能であることを見出した。さらに、ターフェニル基を導入したアモルファスジアリールエテンに関して発光波長の光可逆制御に成功した。この場合には、閉環体は500nm付近に青色の発光を示し、閉環体は650nm付近に赤色の発光を示した。異性化に伴って可逆的に発光波長の制御に成功したのははじめての例である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.-S.Kim, T.Kawai, M.Irie: "Synthesis of Fluorescent Amorphous Diarylethenes"Chemistry Letters. 2001. 702-703 (2001)
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[Publications] T.Kawai, T.konishi, K.Matsuda, M.Irie: "Photo-Generation of Acid and its Fluorescence Detection in a Small Area : a Near Field Write-Once Memory"Japanese Journal of Applied Physics. 40・8. 5145-5148 (2001)
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[Publications] T.Kawai, T.Sasaki, M.Irie: "A Photoresponsive Laser Dye Containing Photochromic Dithienylethene Units"Chemical Communications. 2001. 711-712 (2001)
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[Publications] T.Fukaminato, S.Kobake, T.Kawai, M.Irie: "Three Dimensional Ereasable Optical Memory Using a Photochromic Diarylethene Single Crystal as the Recording Medium"Proceedings of Japanese Academy. 77. 31-35 (2001)