2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13022263
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山元 公寿 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (80220458)
|
Keywords | 酸素 / 多電子移動 / 還元 |
Research Abstract |
多電子過程を拡張させるため、自然界の電子移動を見習い連続的にしかもベクトルを揃えて電子を集積し、効率の高い分子・エネルギー変換に繋げることのできる新規なナノ機能材料の開発を目指し、新構造体として樹状フェニルアゾメチンを創製した。 四塩化チタン存在下、アミンとケトンの脱水反応に基づくコンバージェント合成によって、単一分子量・単一構造からなる新規フェニルアゾメチンデンドリマー(DPA)を合成した。本デンドリマーは従来の直鎖状ポリマーと異なり、塩化メチレンやテトラヒドロフラン等の溶媒に可溶であるとともに、高い耐熱性(Td10% >500℃)を示した。透過型電子顕微鏡(TEM)及び原子間力顕微鏡(AFM)による直接観察から第4世代のDPA(DPA G4)が直径約2.3nmの硬い球状分子として基板上にパッキング構造を持って集積することが判明した。この分子サイズは、第2世代のDPA(DPAG2)のX線結晶解析構造をもとにしたDPA G4の分子モデリング構造や、π-A測定の結果と一致した。溶液状態においても剛直な分子構造を有していることが温度可変NMR及び緩和時間の測定から確認された。 イミン窒素の高い配位能に基づいて、DPAは種々の金属塩と容易に多核錯体を形成した。中でも、二塩化スズとの錯形成がランダムでなく、コアのイミン窒素から外側のイミン窒素へと段階的にしかも定量的に進行することが、紫外可視吸収スペクトルにおける等吸収点のシフトから明らかになった(Fig.2)。この特異な規則的錯形成挙動は、デンドリマーのコアと末端の間の電子勾配の形成によるものであり、さらにコアを変えることでこの勾配がコントロールできることが判明した。錯形成による分子サイズの拡張や中心からの金属集積構造もTEM測定から確認された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] K.Yamamoto et al.: "Excellent Redox Properties of Poly(thienylphenylamine)s"Macromol.Rapid.Commun.. 22. 266-270 (2001)
-
[Publications] K.Yamamoto et al.: "Spectroelectrochemical Investigation of Dinuclear Co-porphyrin Complex with Ionic Group in DMSO"Dalton Trans.. 2001. 251-258 (2001)
-
[Publications] K.Yamamoto et al.: "Electrocatalysis of the Reduction of Dioxygen by p-Conjugated Polymer Complexes with Dinuclear Cobalt Porphyrin"J.Inorg.Organometal.Polym.. 11. 47-61 (2001)