2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13024204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
常盤野 哲生 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50312343)
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Keywords | ジャガイモ / ファイトアレキシン / 内因性エリシター |
Research Abstract |
植物は病原菌の侵入に対し、抗菌物質ファイトアレキシンにより自らを化学的防御する。またファイトアレキシンを誘導・蓄積する物質をエリシターと言い、特に植物自身に由来するものを内因性エリシターと呼ぶ。ジャガイモは病原菌の侵入を受けると自ら過酸化水素を発生し、代表的ファイトアレキシンであるリシチンを生産する。また、過酸化水素のみの接種によってもリシチンが生成し、接種後の抽出物はエリシター活性を示す。本研究ではジャガイモの内因性エリシター探索を行っているが、過去の研究においてはリシチンの生成量を指標としてその活性試験が行われてきた。即ち、健全ジャガイモ塊茎にエリシターを接種し、微量生成したリシチンをTLC上にて比色定量する方法である。しかしながらこの方法は活性試験としては再現性が悪く、より正確な活性試験法の確立が望まれた。通常リシチンは病原菌侵入により壊死した部位に蓄積するが、健全部位では毒性の弱いリシチンM1、リシチンM2に変換されていくことが知られている。従って、内因性エリシターの探索を進めるためにはリシチンM1、M2も含めた総量での評価が必要であると考えた。そこでリシチン類のGC-MSでの分離・検出を検討した。エリシターとして過酸化水素を用い、種々条件検討の結果、リシチン及びリシチンM1、M2の同時分析を可能にした。今後エリシターの探索にあたって、上記の手法により活性評価を行い、リシチンの蓄積と代謝に対するエリシターの影響についても検討していく予定である。
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