2001 Fiscal Year Annual Research Report
キノコ・植物の生体調節機能発現に関わる鍵物質の探索と作用機序
Project/Area Number |
13024234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
河岸 洋和 静岡大学, 農学部, 教授 (70183283)
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Keywords | キノコ / 植物 / 生体調節機能 |
Research Abstract |
キノコや植物が関わる生物現象鍵物質に関して以下の研究を行った。 1)子実体形成を司る鍵物質 子実体形成物質について,バイオアッセイ系の確立を試み,成功した。現在,このアッセイ系を用いて,子実体形成物質の単離を目指している。 2)肝障害抑制物質 いくつかの香辛料に肝障害を抑制する効果を見出し,その中で極めて強い活性を示したナツメグからの肝障害抑制物質の単離・精製,構造決定を目的に実験を行った。その結果,活性画分から,いくつかの化合物を単離し,構造決定をを行った。現在,単離された化合物の肝障害抑制活性を検討中である。 4)摂食抑制物質 摂食抑制物質の遺伝子のクローニングを試み,mRNAを得、さらにcDNAライプラリーを構築した。 5)未解明キノコ毒の解明 三大中毒キノコであるカキシメジの毒は未解明のままであり,誤食すると激しい下痢や嘔吐を起こす。また,ホテイシメジはアルコールとともに摂取すると悪酔いを起こす。これらの原因物質を明らかにすることを目的として実験を行った。 その結果,カキシメジからはウスタル酸と命名した毒本体とその関連化合物の単離,構造決定に成功した。ウスタル酸は,経口投与によって,マウスに毒性(体の異常なふるえ等の後に死亡)を示し,ウスタル酸とその関連化合物は全てNA^+,K^+-ATPasaに阻害活性を示した。 ホテイシメジからはアルデヒドデヒドロゲナーゼの阻害物質として数種の新規脂肪酸の単離,構造決定に成功した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kawagishi, H.: "Alectin from the shoots of bamboo Phyllostrchys pubescens"J. Appl. Glycosci.. 42. 91-103 (2001)
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[Publications] Kawagishi, H.: "Purification and characterization of a lection from the mushroom Mycoleptodonoides aitchisonii"Phytochemistry. 56. 53-58 (2001)
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[Publications] Kawagishi, H.: "Liver infary suppressing compounds from aumcado(Rersea americana)"J. Agric. Food Chem.. 49. 2215-2221 (2001)
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[Publications] 河岸洋和: "神経成長因子の合成を促すキノコの2次代謝産物"日菌報. 42. 11-16 (2001)
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[Publications] 河岸洋和: "キノコは特異な骨格と機能をもつ生態調節物質の宝庫-ニューロトロフィンファミリーの合成を促進するシアター骨格-"化学と生物. 39. 497-498 (2001)