2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13024239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大熊 毅 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50201968)
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Keywords | 不斉水素化 / ケトン / 光学活性アルコール / ルテニウム錯体 / XylBINAP / DAIPEN / 不斉合成 / 生理活性物質 |
Research Abstract |
光学活性第二級アルコールは、有用生理活性物質およびその合成の鍵となる中間体の部分構造として数多く見受けられる。とくに、光学活性なα-、β-およびγ-アミノアルコール類とその誘導体は、薬剤としてもっとも活躍している化合物群の一つであり、次代の新薬として期待される多くの化合物が臨床で試験されている。本研究者はこの事実に鑑み、光学活性アミノアルコール類の効率的かつ一般性の高い不斉合成法の開拓を計画した。光学活性アミノアルコール類のもっとも直接的な合成法の一つに対応するアミノケトン類の不斉水素化がある。本研究者は、すでに光学活性ホスフィンとジアミンを配位子とするルテニウム錯体触媒を用いて、様々な芳香族ケトン類およびα,β-不飽和ケトン類の高エナンチオ選択的水素化に成功している。この方法論が種々のアミノケトン類の不斉水素化に適用できれば、一般的かつ効率的な光学活性アミノアルコール類の合成法になりえると考えて検討を行った。 2-[(アルキル)(ベンゾイル)アミノ]アセトフェノン類の水素化をtrans-RuCl_2[(R)-xylbinap]-[(R)-daipen]を触媒前駆体に用いて、塩基の存在下で行ったところ、対応するα-アミノアルコールが99%の極めて高い鏡像体過剰率で得られた。この反応を基軸として、強心薬の(R)-デノパミンの合成に成功した。β-(ジメチルアミノ)プロピオフェノンは、塩基の存在下でアミノ基が容易に脱離するため、水素化の困難な基質であったが、塩基の使用を最少量に抑える工夫をすることにより、対応するβ-アミノアルコールを97.5%の鏡像体過剰率で得ることができた。この手法を用いて抗鬱剤として実用されている(R)-フルオキセチンの合成に成功した。さらに精神病薬として期待される、γ-アミノアルコールのBMS 181100を99%の鏡像体過剰率で合成できた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] R.Noyori: "Asymmetric Catalysis by Architectural and Functional Molecular Engineering : Practical Chemo-and Stereoselective Hydrogenation of Ketones"Angew. Chem. Int. Ed.. 40・1. 40-73 (2001)
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[Publications] T.Ohkuma: "Asymmetric Hydrogenation of Ketones with Polymer-Bound BINAP/Diamine Ruthenium Catalysts"Adv. Synth. Catal.. 343・4. 369-375 (2001)
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[Publications] R.Noyori: "Asymmetric Hydrogenation via Architectural and Functional Molicular Engineering"Pure Appl. Chem.. 73・2. 227-232 (2001)
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[Publications] 大熊 毅: "単純ケトン類の水素か触媒の開拓:ユニークな触媒はユニークな発想から生まれる"有機合成化学協会誌. 59・5. 446-447 (2001)
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[Publications] 大熊 毅: "ケトン類の高速かつ高立体選択的水素化反応"化学工業. 52・12. 951-957 (2001)
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[Publications] 大熊 毅: "キラル医薬中間体のプロセス技術〜開発・製造とアウトソーシングの動向(不斉水素化)"技術情報協会. 6 (2001)
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[Publications] 大熊 毅: "岩波講座現代化学への入門第18巻「社会と化学」(キラルテクノロジー)"岩波書店. 19 (2001)