2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13024247
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹腰 清乃理 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10206964)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 武彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50093274)
|
Keywords | 固体NMR / 構造決定 / magic angle spinning / N^<14>NMR |
Research Abstract |
本研究では,分子の3次元構造決定法を確立することを目的として、我々がこれまでに開発したさまざまな固体NMR法の問題点を明らかにすると共に、それを克服するための新規な手法を模索・開発する。本年度は、多スピン系の試料を用いて、多数のおおまかな距離情報を一度に決定するという、これまでに希求されてきたが実現されていなかった固体NMR法を検討・開発した(Chem. Phys. Lett.,344,631-637(2001))。この手法では、観測核スピンへのラジオ波照射を必要としないために、距離測定時間の制限が一般的に長い縦緩和時問になる。したがって、長距離の測定が行えるという大きな特徴がある。また、観測は高分解能の条件で行うことが可能であり、他にも多スピン系への応用に適した特性を持っている。現在、C^<13>で同位体ラベルしたペプチド試料をモデル分子として用意して、この手法により得られる距離の精度や測定限界を検討中である。 また、N^<14>のスピン状態が+1と-1の間の遷移(オーバートーン遷移)に着目して、これまで誰も成功していない粉末試料でのN^<14>の高分解能NMR測定を行った(J. Am. Chem. Soc.,123,10786-10787(2001))。窒素は,生体分子機能の発現にかかわる高次構造を維持する水素結合などに必ず含まれる重要な核である。ところが、粉末試料では、天然に99.6%存在するN^<14>の高分解能NMRの測定は困難であり、N^<15>で置換した試料を作成して測定が行われてきた.新しく開発した手法を用いることで、多くの試料でN^<15>Nによる同位体置換が不必要になるのみならず,N^<15>の化学シフト相互作用よりも近傍の構造や電子状態にはるかに敏感なN^<14>の四重極相互作用を測定することが可能になった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] K.Takegoshi: "^1H decoupling with third averaging in solid NMR"Chem. Phys. Lett.. 341(5-6). 540-544 (2001)
-
[Publications] K.Takegoshi: "^<13>C-^1H dipolar-assisted rotational resonance in magic angle spinning NMR"Chem. Phys. Lett.. 344(5-6). 631-637 (2001)
-
[Publications] K.Takeda: "Dynamic nuclear polarization by photoexcited-triplet electron spins in polycrystalline samples"Chem. Phys. Lett.. 345(1-2). 166-170 (2001)
-
[Publications] K.Takegoshi: "Indirect High-Resolution Observation of ^<14>N NMR in Rotating Solids"J. Am. Chem. Soc.. 123(43). 10786-10787 (2001)
-
[Publications] A.Asano: "Free Volume Study of Amorphous Polymers Detected by Solid State ^<13>C NMR Linewidth Experiments"J. Chem. Phys.. 115(18). 8665-8669 (2001)
-
[Publications] T.Miyoshi: "Effects of Xe Gas on Segmental Motion in a Polymer Blend As Studied by ^<13>C and ^<129>Xe High-Pressure MAS NMR"Macromolecules. 35(1). 151-154 (2002)