2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13026207
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
浅田 雅洋 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (30167887)
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Keywords | テラヘルツ増幅・発振素子 / 共鳴トンネル構造 / フォトンアシストトンネル / 絶縁体 / 半導体ナノ構造 / フッ化物ヘテロ接合 / ナノ領域エピタキシー / サブバンド間遷移レーザ / テラヘルツ三端子素子 |
Research Abstract |
本研究は、満足な固体の増幅・発振素子が存在せず、未開拓の領域となっているテラヘルツ(THz)帯に対して、超格子サブバンド間誘導放出素子および新たに提案したフォトンアシストトンネルと電子波ビートの集群を利用した三端子素子の実現を目指し、本年度は特にデバイス構造形成のための結晶成長法とプロセスの確立に重点を置き、以下の成果を得た。 THzデバイス形成に向けて、ポテンシャル障壁が高く、量子準位が尖鋭になることが期待されるCaF_2/CdF_2/Siヘテロ接合材料系に対して、均一性のよい極薄膜共鳴トンネル構造を得ることに成功した。具体的には、成長を原子層厚レベルで制御するため、結晶成長領域を100nm程度の微細な領域に限定したナノ領域エピタキシーを提案し、これによって顕著な特性の均一化を得るとともに、この系では初めての量子井戸層厚依存性に関する系統的な実験結果を得た。また、水素終端化処理したSi(100)基板上への成長を行い、(100)面上で初めて室温微分負性抵抗特性を得た。さらに、適当な基板オフ角の選択と原子ステップ制御プロセスをナノ領域エピタキシーと組み合わせることによって、アンチフェイズ界面による欠陥の少ない層構造を形成し、Si(100)基板上に再現性よく室温微分負性抵抗を得た。 また、提案しているテラヘルツ三端子素子の理論解析に関して、増幅動作が量子論的には集団的超放射であることに着目して、新たに量子論的解析を行うことにより、電子散乱の影響、周波数依存性、信号帯雑音比の見積もりを可能にした。 引き続き、層厚による量子準位変化などの構造依存性、THz応答特性などを系統的に明らかし、THzデバイス形成に向けて基礎を固めてゆく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Asada: "Quantum theory of a semiconductor klystron"Physical Review B. 67・11. 115303-1-115303-8 (2003)
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[Publications] M.Tsutsui, T.Nagai, M.Asada: "Analysis and Fabrication of p-type Vertical PtSi Schottky Source/Drain MOSFET"Trans.Electron.IEICE of Japan. E85-C・5. 1191-1199 (2002)
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[Publications] M.Tsutsui, M.Asada: "Dependence of Drain Current on Gate Oxide Thickness of p-type Vertical PtSi Schottky Source/Drain MOSFETs"Japan.J.Applied Physics. 41・1. 54-58 (2002)
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[Publications] M.Watanabe, T.Ishikawa, M.Matsuda, T.Kanazawa, M.Asada: "Room temperature negative differential resistance of CdF_2/CaF_2 resonant tunneling diode grown on Si using nanoarea local epitaxy"Abstract of International Conference on Physics of Semiconductors (Edinburgh/UK). Part III. 157 (2002)