2001 Fiscal Year Annual Research Report
サイロキシン結合蛋白質との親和性を利用するPCB特異的アッセイ系
Project/Area Number |
13027206
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仲井 邦彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00291336)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 廣行 宮城県保健環境センター, 副所長
佐藤 洋 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40125571)
|
Keywords | 甲状腺ホルモン / トランスサイレチン / ポリ塩化ビフェニール / プレアルブミン / 内分泌撹乱作用 / ダイオキシン類 / 行動奇形 / 胎児期曝露 |
Research Abstract |
ポリ塩化ビフェニール(PCB)による内分泌撹乱作用の1つの機序として甲状腺ホルモン撹乱作用が疑われ、特に甲状腺ホルモン(サイロキシン)の脳移行に必須なトランスサイレチンにPCBが結合し、その脳移行を部分的に抑制する作用が想定されている。そのようなPCBには、従来毒性が低いと考えられてきた非コプラナーPCBやその水酸化物が候補として指摘されている。本研究ではそのようなPCBの生物活性を分析、定量することを目的に、PCBとトランスサイレチンとの親和性を利用して分析するアッセイ系の構築を目指した。具体的には、BIACORE2000を用い、センサーチップへサイロキシンを固相化し、トランスサイレチンの結合を確認。そこにトランスサイレチンと親和性を有するPCBが加わった場合、PCBがトランスサイレチンに結合し固相化サイロキシンからトランスサイレチンを解離させることを利用し分析するアッセイ系を考案した。センサーチップへのサイロキシン固相化はアミノカップリング法により実施し、トランスサイレチンの結合も弱いながら確認された。しかしながら、トランスサイレチン結合の十分なシグナルを得ることは出来ず、アッセイ系の完成には到らなかった。この原因としてサイロキシン固相化の際にトランスサイレチン結合部位がアミノカップリングにより修飾され、トランスサイレチンと相互作用できなくなっていることが強く示唆された。実際に、PCBをアッセイ系に添加してもシグナルを確認することはできなかった。改良研究として、サイロキシン固相化の検討が必要であり、スペーサーアーム導入などが有力と考えられた。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Kurokawa N, n et al.: "Association of BMI with the beta3-adrenergic receptor gene polymorphism in Japanese : meta-analysis"Obesity Research. 9(12). 806-809 (2001)
-
[Publications] Nakai K. et al.: "Preparation and characterization of SNO-PEG-hemoglobin as a candidate for oxygen transporting material"International Journal of Artificial Organs. 24. 322-328 (2001)
-
[Publications] 仲井邦彦, 他: "酸素運搬体開発の課題"血液・免疫・腫瘍. 6. 29-34 (2001)
-
[Publications] 高折益彦, 他: ""人工血液臨床応用をとりまく問題点と対策"を司会して"人工血液. 8. 103-104 (2001)
-
[Publications] Nakai K, et al.: "Effects of perinatal exposure to environmentally persistent organic pollutants and heavy metals on neurobehavioral development in Japanese children: an interim report"Organohalogen Compounds. 53. 254-255 (2001)
-
[Publications] 仲井邦彦, 他: "内分泌撹乱物質の健康影響に関する疫学研究から-周産期曝露の影響を中心として-"最新医学. 57(2). 229-235 (2002)
-
[Publications] Satoh H, et al.: "NIMC Forum 2001-Mercury Research : Today and Tomorrow-"National Institute for Minamata Disease. 147 (2001)
-
[Publications] Nakai K, et al.: "US-Japan workshop on human health effects of low dose methylmercury exposure"National Institute for Minamata Disease. 213 (2001)