2001 Fiscal Year Annual Research Report
卵黄に蓄積させた内分泌撹乱物質によるウズラ受精卵の発生異常誘発に関する研究
Project/Area Number |
13027235
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
森 誠 静岡大学, 農学部, 教授 (90143411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹浪 知宏 静岡大学, 農学部, 助手 (80322139)
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Keywords | ウズラ / 卵子 / 卵黄膜 / 肝臓 / ZP1 / エストロゲン / ノニルフェノール / 内分泌撹乱 |
Research Abstract |
1.ウズラZP1の塩基配列を決定した結果、全アミノ酸934残基のうちN末端から128〜571番日の配列は哺乳類のZP1またはZPBにはない特徴的な繰り返し配列を含んでおり、そのためアミノ酸配列の相同性は哺乳類に対しては40%以下であったが、ニワトリZP1とは87%であった。そこでこの繰り返し配列をさけるようにPCR用のプライマーを設計し、成熟および3週令未成熟の雌雄ウズラの肝臓から得たRNAを用いてRT-PCRをおこなった。その結果、成熟雌ウズラの肝臓でのみ増幅産物が検出された。 2.エストロゲンによるZP1遺伝子発現の誘導を検討するため、成熟および未成熟の雌雄ウズラにジエチルスチルベステロールを投与し、肝臓のmRNA量をRT-PCR法によって測定した。その結果、ジエチルスチルベステロールの投与によって成熟雄および未成熟雌雄ウズラで増幅産物が検出できることがわかった。未成熟雄ウズラで投与量を検討したところ、体重100gあたり1μgの投与でも検出可能であった。 3.次にρ-ノニルフェノールを未成熟雄ウズラに投与してZP1遺伝子発現を観察したが、体重100gあたり10mg投与しても増幅産物は検出されなかった。 4.ウズラでは卵子が卵黄を吸収するのは排卵前4〜5日間であり、そのすべては発生中の胚の栄養源として利用されている。そこで産卵中の成熟雌ウズラにジエチルスチルベステロールまたはρ-ノニルフェノールを投与し産卵された受精卵から孵化したヒナの肝臓のZP1の遺伝子発現をRT-PCR法によって測定した。その結果、これらの物質を母親に投与するとヒナの肝臓で増幅産物が検出され、ρ-ノニルフェノールの場合、母親の体量100gあたり250μgという低い投与量でも検出できることがわかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Jianzhi Pan: "Effects of Testosterone on Production of Perivitelline Membrane Glycoprotein ZPC by Granulosa Cells of Japanese Quail"Biology of Reproduction. 64巻1号. 310-316 (2001)
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[Publications] Tomohiro Sasanami: "Stimulation of ZPC Production by Follicle-Stimulating Hormone in the Granulosa Cells of Japanese Quail (Coturnix japonica)"General and Comparative Endocrinology. (発表予定). (2002)
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[Publications] Tomohiro Sasanami: "Secretion of ZPC Occurs after the Removal of the C-Terminal Amino Acid at a Consensus Furin Cleavage Site"European Journal of Biochemistry. (発表予定). (2002)
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[Publications] Makoto Mori: "Perspective in Comparative Endocrinology"Monduzzi Editore., Bologna, Italy. 1238 (2001)