2002 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌攪乱物質並びにその前駆物質の代謝変換とホルモン作用の修飾
Project/Area Number |
13027256
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉原 新一 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (00037607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 数美 広島大学, 医学部, 教務員 (20271067)
北村 繁幸 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40136057)
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Keywords | 内分泌撹乱物質 / プロエストロゲン / エストロゲン活性 / 異物代謝酵素 / 代謝的活性化 / ビスフェノールA / フェンチオン / 2-ニトロフルオレン |
Research Abstract |
外因性内分泌撹乱物質による生体影響評価に際しては、摂取後の体内での肝チトクロームP450(CYP)を始めとする異物代謝酵素による代謝変換に起因する化学構造の変化に伴うホルモン作用の変動(活性化や不活性化)を考慮する必要がある。既に我々はラットやヒトの肝S9(CYP酵素源)による代謝変換によりBisphenol A(BPA)のエストロゲン活性が数倍に増大することやエストロゲンとして不活性なtrans-Stilbeneが代謝変換によりエストロゲンへと活性化されることなどを明らかにしている。そこで今回、異物代謝学的観点から内分泌撹乱物質のリスク評価に資することを目指して、従来の成果を更に発展させるべく以下の諸課題について検討した。 1)BPAの活性代謝物の構造決定並びに生成メカニズムの解明 ラット肝S9とのインキュベーションによりBPAから生成される活性代謝物は、negative mode LC/MS/MSにおいてm/z267の分子イオンとm/z133の単一の娘イオンを与えることからp-Isopropenylphenolの二量体構造と推定された。そこでこの予想代謝物を別途化学合成して同定を試みた結果、本活性代謝物を4-Methyl-2,4-bis(p-hydroxyphenyl)pent-1-ene(MBP)と決定した。数種の異なるin vitro評価法において、このMBPはBPAの十数倍〜千数百倍のエストロゲン活性を示すことが明らかとなった。 2)残留農薬類の魚類における代謝変換とホルモン作用の修飾 抗アンドロゲン作用を示す有機リン系殺虫剤Fenthionは、ラット肝ミクロソームと同様キンギョやタイなどの魚類肝ミクロソームによっても抗アンドロゲン作用を示さないFenthion sulfoxideやFenthion oxonへと不活性化されることが明らかとなった。 3)内分泌撹乱物質前駆体の代謝的活性化によるホルモン作用の出現 ニトロ多環芳香族性大気汚染物質の一つであるプロエストロゲン2-Nitrofluorene(NF)はラット肝ミクロソーム中のCYP1Aにより、エストロゲン活性代謝物7-Hydroxy NFへと活性化されること、またCYP2Bによっては不活性代謝物9-Hydroxy NFへと代謝されることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Fujimoto: "Estrogenic Activity of an Environmental Pollutant, 2-Nitrofluorene, after Metabolic Activation by Rat Liver Microsomes"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 303. 419-426 (2003)
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[Publications] S.Kitamura: "In Vitro Metabolism of Fenthion and Fenthion Sulfoxide by Liver Preparations of Sea Bream, Goldfish and Rats"Drug Metab. Dispos.. 31. 179-186 (2003)
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[Publications] S.Kitamura: "Thyroid Hormonal Activity of the Flame Retardants Tetrabromobisphenol A and Tetrachlorobisphenol A"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 293. 554-559 (2002)
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[Publications] O.Ueda: "Metabolism of 2-Nitrofluorene, an Environmental Pollutant, by Liver Preparations of Sea Bream, Pagrus major"Xenobiotica. 32. 667-682 (2002)
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[Publications] S.Sanoh: "Cytochrome P450 1A1/2 Mediated Metabolism of trans-Stilbene in Rats and Humans"Biol. Pharmaceut. Bull.. 25. 397-400 (2002)
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[Publications] S.Kitamura: "Reductive Metabolism of p,p'-DDT and o,p'-DDT by Rat Liver Cytochrome P450"Drug Metab. Dispos.. 30. 113-118 (2002)
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[Publications] 松井三郎: "環境ホルモンの最前線"江草忠敬(有斐閣). 252 (2002)