2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13027280
|
Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
有薗 幸司 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (70128148)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩橋 均 産業技術総合研究所, ヒューマンストレスシグナル研究センター, 主任研究員
今川 正良 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (20136823)
楠井 隆史 富山県立大学, 短期大学部, 教授 (60153293)
松崎 弘美 熊本県立大学, 環境共生学部, 助教授 (30326491)
篠原 亮太 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (40316188)
|
Keywords | マイクロアレイ / 酵母 / カスタムチップ / ムラサキイガイ / バイオマーカー / メタロチオネイン(MT) / 活性酸素 |
Research Abstract |
酵母DNAマイクロアレイを用いて、廃棄物処分場処理水、下水処理水により発現応答する遺伝子群を網羅的に解析したところ、発現誘導あるいは抑制された遺伝子群の数は排水により異なっていた。それら発現誘導あるいは抑制された遺伝子群をMIPSデーターベースに基づきカテゴリー分類すると、各々の排水に特徴的なパターンを示した。さらに、廃棄物処分場浸出原水により発現応答が見られた遺伝子群が処分場処理水(接触ろ床と凝集沈殿処理)では見られなかったこと、下水原水により発現応答が見られた遺伝子群が、下水処理水(微生物処理)により見られなかったことから、産業排水の水質が浄化されたことを遺伝子レベルで確認できた。ことより、酵母DNAマイクロアレイを用いた各種産業排水の処理法の評価(水質浄化の評価)が可能であることが示唆された。また、細胞の救助・防御・毒性に関連する遺伝子群(ORF)の中から55個の遺伝子群を選択肢し、それらをスポットした酵母カタムチップを作製した。本カスタムチップの産業排水の環境リスク評価への有効性について検討したところ、カスタムチップ上で、発現誘導あるいは抑制された遺伝子群が見られ、それらは産業排水により特異的であることがわかった。このことから、今回作製した酵母カスタムチップを用いたマイクロアレイは、産業排水の環境リスクを評価する有益な手法となり得ることが示された。 海洋汚染の総括的モニタリング法としてのバイオマーカーとして、ムラサキイガイの血球細胞の活性酸素発生を指標とした貧食能への影響評価及び重金属によるメタロチオネイン(MT)の誘導能を検討した。活性酸素発生を指標とした方法は蛍光染色した大腸菌を用いた方法より感度が高いことが明らかとなった。MT誘導能では、中腸腺が最も顕著であることが明らかとなった。
|