2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13029021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北原 武 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40087573)
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Keywords | 多元素化合物 / 光学活性体合成 / 構造活性相関 / 昆虫摂食阻害剤 / 脳神経保護作用 / 酵素阻害剤 / プローブ調整 / 立体選択的合成 |
Research Abstract |
本研究では、多官能基性多元素化合物の全合成を達成すると共に関連化合物合成を行い、それらの機能の追求を図ることが目的であり、本年度は摂食阻害剤アザジラクチン、神経保護作用物質カイトセファリン、酵素阻害作用を持つハリコラクトンやソランデラクトン類、ガン細胞転移抑制活性を持つモベラスチンなどを対象化合物としてその合成を目指した。 アザジラクチンの合成については、置換パイロンの分子内Diels-Alder反応の検討により立体異性体が選択的に得られることが分かり、それを逆用した合成を検討中である。 神経保護作用を持つカイトセファリンは、未だ合成が完成していなかった。我々は、全く新規な亜鉛を触媒とする置換ハロゲン化合物の置換ニトロンへの付加反応を鍵とする骨格合成法の開発し、合成を行った結果、推定構造の立体化学に誤りがあることを見出し、改訂すると共に天然物の最初の全合成に成功した。現在、さらに構造-活性相関、プローブ合成等の検討を推進中である。 酵素阻害作用を有するオキシリピン類は中員ラクトン構造を有する興味深い物質群である。酵母還元により得られる光学活性中間体を原料としてGrubbs試薬を用いRCM反応により効率よくハリコラクトンの合成に成功した。また、山口法を用いてソランデラクトンも合成できた。 腫瘍転移抑制作用を有するモベラスチンについては、L-アラビノースから重要合成中間体を得ており、全合成を検討中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 渡邉秀典, 奥江雅之, 小林宏行, 北原武他: "Synthesis of the Proposed Structure and Revision of Stereochemistry of Kaitocephalin"Tetrahedron Lett.. 43. 857-860 (2002)
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[Publications] 渡邉秀典, 奥江雅之, 小林宏行, 北原武: "The Total Synthesis of Kaitocephalin Based on the Structure Revision"Tetrahedron Lett.. 43. 861-865 (2002)
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[Publications] 奥江雅之, 渡邉秀典, 北原武, 吉田稔他: "Short-Step Synthesis of All Stereoisomers of Preussin and Their Bioactivitie"Biosci. Biotechnol. Biochem.. 55. 1093-1096 (2002)
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[Publications] 倉持幸司, 長田悠子, 北原武: "A Facile Synthetic Method for Indolic Enamides"Chem. Lett.. 128-129 (2002)
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[Publications] 藤本智子, 吉川啓介, 伊藤雅通, 北原武: "Synthesis of (R)-and (S)-Muscone"Biosci. Biotechnol. Biochem.. 55. 1389-1392 (2002)
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[Publications] 高橋太一, 渡邉秀典, 北原武: "Total Synthesis of Halicholactone"Heterocycles. (印刷中). (2003)
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[Publications] 北原武(共編者): "My Favorite Synthesis"有機合成化学協会、東京化学同人. 256 (2002)