2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13029022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徳山 英利 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (00282608)
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Keywords | マイトマイシンC / FR900482 / 抗腫瘍剤 / ベンゾアゾシン骨格 / 共役付加反応 / 光延反応 |
Research Abstract |
以前マイトマイシンの関連化合物であり、最近マイトマイシンと同様の作用機序により高い抗腫瘍性を示すことが明らかにされたFR900482の全合成を達成している。本合成において用いた合成戦略、すなわち8員環ベンゾアゾシン中間体を重要中簡体として設定し、環のコンフョメーションを利用して立体選択的なヒドロキシメチル化を行う手法は、マイトマイシンの合成にも適用可能であると考え、これまで検討を行ってきた。まず初めに8員環合成に必要な芳香環ユニットと側鎖部分の合成を行った。3-メチルカテコールより数段階を経て一方のフェノール性水酸基がMOM基で保護された基質を合成した。さらに、MOM基を用いたオルトリチエーションによりヨウ素の導入を行い、ニトロ化を経てオルトヨードニトロベンゼンを合成した。一方、側鎖ユニットは、セリンより導いたGarnerアルデヒドにアセチレンを導入し、保護基の掛け替えを行い、アミノアルコールがアセトニドで保護された末端アルキンを得た。このようにして得られた二つのユニットを薗頭反応によりカップリングした。続く、ピロリジンの付加とエナミンの加水分解によりケトンとし、ニトロベンゼンスルホンアミドの分子内光延反応によりベンゾアゾシン骨格を構築した。アミノアルコール部分をアジリジンに変換した後、現在ケトンのα-位のヒドロキシメチル化の検討を行っている。
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Research Products
(1 results)