2001 Fiscal Year Annual Research Report
生物活性アルカロイド類合成のための新合成ユニットの開発
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13029062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北 泰行 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00028862)
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Keywords | N, S-アセタール / ディスコハブディンA / 全合成 / シクロヘキサジエンアセタール / 分子内ハロエーテル化反応 / 9a-エピステニン / プロキラルジオール / 酵素触媒非対称化 |
Research Abstract |
抗腫瘍性海洋アルカロイドディスコハブディン類およびその類縁体、ステモナアルカロイド類の主成分であるステニン、チュベロステモニン、含窒素スピロアルカロイドのスピロトリプロスタチン類等を合成標的化合物として取り上げ、そのために必要な種々の基盤技術の開発とその応用を行った。 含硫黄ディスコハブディン類の合成に関しては、まず、Munroらにより提唱された生合成仮説に従い、マカルバミンFからのスピロ環形成反応を超原子価ヨウ素試薬をはじめ、種々の酸化剤を用いて検討したが、ディスコハブディンA、Bは全く生成しなかった。そこで合成ルートを変更し、硫黄官能基導入の足がかりとなる置換基を予め組み込んだ基質を用いてスピロジエノン構築後、N, O-アセタールを経て、硫黄求核種と反応させることにより架橋スルフィドを含む特異な縮環型スピロコア構造の合成に初めて成功した。この手法を利用して抗腫瘍性海洋アルカロイド、ディスコハブディンAの世界最初の全合成を達成することができた。 また、ステモナアルカロイド類の合成研究として、光学活性なヒドロベンゾインとシクロヘキサジエンアルデヒドから合成したシクロヘキサジエンアセタールの分子内ハロエーテル化反応により2個の二重結合の識別に成功し、さらにアセタールによる固定と立体反発を利用して立体選択的な反応を行い、天然のステニンと同じ立体化学を持つ炭素骨格を合成した。このものから天然のステニンとC-N結合の立体化学だけが異なる9a-エピ体の合成に成功した。現在ステニンの合成を目的として更なる検討を行っている。 また、ごく最近開発した1-エトキシビニルエステルを用いるプロキラルジオール類の酵素触媒非対称化法を応用して、スピロトリプロスタチン類などの重要な生物活性インドールアルカロイドの中心構造となる3位に不斉四級炭素を有するオキシインドールの短工程不斉合成法を開発した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 赤井, 周司: "リパーゼの不斉識別能を活用する新規不斉合成反応の開発研究"生産技術誌. 53. 57-60 (2001)
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[Publications] AKAI, Shuji: "Lipase-Catalyzed Enantioselective Desymmetrization of Prochiral 3,3-Bis(hydroxymethyl)oxindoles"Tetrahedron Letters. 42. 7315-7317 (2001)
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[Publications] AKAI, Shuji: "Enantiodivergent Synthesis of Either Enantiomer of ABCDE-Ring Analog of Antitumor Antibiotic, Fredericamycin A via Intramolecular [4+2] Cycloaddition Approach"Organic Letters. 3. 4015-4018 (2001)
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[Publications] AKAI, Shuji: "An Efficient Lipase-Catalyzed Enantioselective Desymmetrization of Prochiral 2,2-Disubstituted 1,3-Propanediols and Meso 1,2-Diols Using 1-Ethoxyvinyl 2-Furoate"Journal of Organic Chemistry. 67. 411-419 (2002)
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[Publications] TOHMA, Hirofumi: "Synthetic Studies on Sulfur Cross-linked Core of Antitumor Marine Alkaloid, Discorhabdins : Total Synthesis of Discorhabdin A"Angew.Chem.Int.Ed.. 41. 348-350 (2002)