2001 Fiscal Year Annual Research Report
複合型ヘテロ原子高次導入法の開発に基づく多元素環状化合物構築法の創生
Project/Area Number |
13029074
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
小川 昭弥 奈良女子大学, 理学部, 教授 (30183031)
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Keywords | 複合型導入法 / ヘテロ原子 / 遷移金属触媒系 / ラジカル環化 / β-ラクタム誘導体 / チオシアノ化 / チオセレノ化 / 高選択性 |
Research Abstract |
本研究では、多元素環状化合物合成手法の確立のための新概念として、ヘテロ原子化合物の複合型遷移金属触媒反応系と複合型ラジカル反応系を設計し、複数のヘテロ原子官能基の各種本飽和結合への高選択的導入を系統的に調べ、これを環化反応に応用することにより、直截的な多元素環状化合物の合成手法を確立することを目的とする。本年度の研究成果は以下のように要約できる。 (1)ヘテロ原子官能基の不飽和結合への高選択的複合導入法の開発:アセチレンおよびイソシアニドへの各種ヘテロ原子化合物の付加を詳細に検討した結果、Pd(PPh_3)_4またはCo_2(CO)_8触媒存在下でのアセチレン類の位置および立体選択的チオシアノ化、およびセレノシアノ化を見い出した。一方、ラジカル反応系として、光照射下でのアセチレン類の位置選択的ヨードペルフルオロアルキル化およびセレノペルフルオロアルキル化を見い出し、さらに、光照射下でのイソシアニド類のチオセレノ化およびチオテルロ化を明らかにした。 (2)高選択的ヘテロ原子複合型環化反応の開発:ヘテロ原子化合物の複合型ラジカル反応系を用いて、多元素環状化合物の合成を行った。ジスルフィド単独系では基質の重合による複雑な結果を与えるのに対して、ジテルリドとの複合系では重合が抑制され、PhS・のイソシアノ基への攻撃、続く5-exo環化によりジチオ化されたインドール誘導体が一挙に合成できることが示された。ジセレニドも適度な炭素ラジカル捕捉能力を有し、基質の重合を抑制しつつ、高選択的な連結反応を可能にすることが明らかとなった。例えば、アセチレンとイソシアニドの連結反応により生成したイミドイル化合物が合成可能となり、これを利用したβ-ラクタム誘導体の新構築法が明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Akiya Ogawa: "Selective sequential addition of diphenyl diselenide to ethyl propiolate and isocyamides upon irradiation with near-UV light"Tetrahedron Lett.. 42・12. 2317-2319 (2001)
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[Publications] Akiya Ogawa: "Highly regioselective iodoperfluoroalkylation of allenes with perfluoroalkyl iodides upon irradiation with near-UV light"Tetrahedron Lett.. 42・13. 2489-2492 (2001)
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[Publications] Akiya Ogawa: "Palladium-Catalyzed Reduction of Ketones with n^Bu_2SnH_2"Tetrahedron Lett.. 43・9. 1701-1703 (2002)
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[Publications] Akiya Ogawa: "Quinone Oxygen-coordinated palladium(II) complexes with anthra quinone ligands bearing N-heterocyclic Coordination sites"Eur. J. Inorg. Chem.. 1. 277-287 (2001)