2001 Fiscal Year Annual Research Report
複素環含有ペプチド性チオストレプトン系生物活性物質の合成研究
Project/Area Number |
13029109
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中田 雅也 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50118981)
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Keywords | チオストレプトン / シオマイシン / デヒドロピペリジン / デヒドロピロリジン / ピペリジン / ジヒドロキノリン / アゾメチンイリド / スルフィニミン |
Research Abstract |
チアゾールまたはチアゾリンを複数個含有する天然物には,有用な生物活性を有するものが多数存在する.ペプチド性チオストレプトン系抗生物質の代表的天然物には,チオストレプトン類,チオペプチン類,及びシオマイシン類がある.これらは,多元素環状化合物として,4つのチアゾール,1つのチアゾリン,4置換デヒドロピペリジン(又はピペリジン),4置換ジヒドロキノリンを部分構造に有し,構成するアミノ酸はほとんど全てが高度に酸化された異常アミノ酸であるというように極めて複雑な構造ゆえ,合成研究は未だ報告されていない.今回,4置換デヒドロピペリジン(及びピペリジン)部分及び4置換ジヒドロキノリン部分を合成した. 1. 4置換デヒドロピペリジン(及びピペリジン)部分の合成(Tetrahedron Letters 2002, 43, 105-110) : 4置換デヒドロピペリジン(及びピペリジン)部分の合成の鍵反応は,チアゾール環2つを含むデヒドロピロリジンから生じるアゾメチンイリドと,チアゾール環1つとスレオニンからなる光学活性スルフィニミンとの連結とそれに続く立体選択的なイミンの還元反応であった. 2. 4置換ジヒドロキノリン部分の合成(Heterocycles 2002, 57, 111-122) : 5,6,7,8-テトラヒドロキノリンを出発物質として,Reissert-Henze反応,ラジカル的ヒドロキシメチル化,Boekelheide転位,Burgess脱離,Jacobsen不斉エポキシ化により4置換ジヒドロキノリン部分を合成した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Higashibayashi: "Synthetic studies on the thiostrepton family of peptide antibiotics : synthesis of the dehydropiperidine core"Tetrahedron Letters. 43・1. 105-110 (2002)
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[Publications] S.Higashibayashi: "SYNTHETIC STUDIES ON THE THIOSTREPTON FAMILY OF PEPTIDE ANTIBIOTICS : SYNTHESIS OF DIHYDROQUINOLINE"Heterocycles. 57・1. 111-122 (2002)