2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト末梢神経神経内膜由来内皮細胞培養系の確立とヒト血液神経関門培養モデル作成の試み
Project/Area Number |
13035012
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
神田 隆 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40204797)
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Keywords | 血液神経関門 / 神経免疫学 / サイトカイン / 血管内皮細胞 / 血液脳関門 / 炎症性ニューロパチー / 細胞生物学 / 免疫性ニューロパチー |
Research Abstract |
血液脳関門(BBB)と比較して末梢神経系のバリアーシステムである血液神経関門(BNB)の研究は遅れをとっているが、その原因の一つは、BNBの主座である末梢神経神経内膜由来内皮細胞(PnMEC)の培養がその技術的困難から長らく成功していかったことにある。研究者らはこの数年来ウシPnMECを用いてBNBのモデルを作成し、いくつかの業績をあげてきたが、分子レベルでのバリアー破綻・修復機序の解明にはヒト細胞の入手が急務と考え、この2年間の目標をBNBを構成するヒト末梢神経神経内膜微小血管内皮細胞(HPnMEC)の大量純培養法の確立においた。培養液を含む培養条件の調整の結果、剖検材料を用いての同細胞の培養が可能となった。剖検坐骨神経または馬尾神経の神経内膜組織を分離し、我々の開発したウシPnMEC培養法(J Neurosci Res 1997)を一部改変した手法に基づいて酵素処理を行った。10-21日後に純粋なHPnMECのみからなるコロニーをクローニングし、これからHPnMECのmassを得た。HPnMECはcontact inhibitionを示す単層を成し、Dil-Ac-LDLとりこみおよびvon Willebrand抗原陽性で、ウシ脳毛細血管由来内皮細胞(BMEC)やウシPnMECと同じく細長いfibroblastに類似した形態を示した。培養条件の調整により、ヒトPnMECも純培養が可能であることが初めて示されたが、純粋なコロニーの収率が充分ではなく、cell massを使っての生化学的分析までは未だ至っていない。しかし、ある程度の長期にわたって培養可能な、ほぼ純粋なヒトPnMECが得られた意義は大きく、今後のBNBの細胞学的研究や炎症性ニューロパチーの治療法の開発にあたって大きな寄与をなすものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takashi Kanda et al.: "Sera from Guillain-Barre patients enhance leakage in blood-nerve barrier model"Neurology. 60. 301-306 (2003)
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[Publications] 藤本陽子ほか: "CD83によるミクログリア活性化の制御"神経免疫学. 10. 243-249 (2002)
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[Publications] 神田 隆: "神経精神疾患治療のEBM.慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー"脳の科学. 24. 289-295 (2002)
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[Publications] Takashi Kanda et al.: "Glycosphingolipid antigen and blood-nerve barrier"Recent Research Developments in Lipids. 5. 97-105 (2001)
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[Publications] 神田 隆: "慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)および関連疾患-病態解明と治療法の進歩-"脳の科学. 23. 655-663 (2001)
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[Publications] Hiroki Sasaguri et al.: "Slowly progressive Foix-Chavany-Marie syndrome associated with chronic herpes simplex encephalitis"J Neurol Neurosurg Psychiatry. 73. 203-204 (2002)