2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13035014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
杉内 友理子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30251523)
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Keywords | 前頭眼野 / smooth pursuit / サッケード / Dextran-biotin / WGA-HRP |
Research Abstract |
実験にはサルを用いた。 1.視覚誘発性サッケードとsmooth pursuitを訓練したサルの慢性実験において、ユニット活動を記録し、マッピングを行い前頭眼野におけるサッケード関連領域とsmooth pursuit関連領域を同定した。前頭眼野の後方に接する部分にsmooth pursuit関連細胞が分布していた。 以下の実験においてはケタラール筋肉内注射(10mg/kg)にて全身麻酔を導入し、ネンブタールの静脈内投与(10mg/kg)にて麻酔深度を維持し、以後必要に応じてネンブタールの静脈内投与を追加した。 2.1の方法で同定したsmooth pursuit領域に、Dextran-biotinの微量注入を行い、順行性に神経終末を標識し,皮質下の投射部位を明らかにした。おもな投射は,橋核,橋被蓋網様核にあり,一部中脳にも認められた。前庭神経核内にも神経終末が同定された。 3.外直筋の末梢神経にWGA-HRP(wheat germ agglutinin conjugated horseradish peroxidase)を取り込ませ、運動ニューロンを逆行性に標識し、さらにそれにシナップスする最終オーダーの介在ニューロンをtransneuronalに標識し,同定した。この部位に直接,大脳smooth pursuit領域からの投射があるかを調べるための準備である。 4.その目的のため,blocytinとWGA-HRPの二重染色法を新たに独自に開発中である。blocytinとWGA-HRPを同一切片上で染色する技術は容易なことではなく,これまでに報告がない。これにtransneuronal labelingを同時に行うのはさらに困難である。この方法が確立できれば、順行性と逆行性標識の二重染色が可能となるので、前頭眼野と運動神経核の両方向から神経結合を決めることが出来るので、これを用いて中継部位を解剖学的に同定することが出来ると考えられる。
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