2002 Fiscal Year Annual Research Report
錐体細胞のバースト発火機構とネットワークにおける同期・非同期からみたその役割
Project/Area Number |
13035024
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青柳 富誌生 京都大学, 情報学研究科, 講師 (90252486)
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Keywords | 同期現象 / テンポラルコーディング / ギャップ結合 / 大脳皮質 / 局所回路 / 抑制ニューロン |
Research Abstract |
本研究では、γ周波数帯での引き込み現象などの時間的な側面についてその神経基盤を中心に研究を行った。特にγ振動のソースと考えられるchattering cellのモデル化を行い、今まで数理モデルで実現できていない70Hzまでの高頻度バーストの発火に成功し、さらにネットワークレベルの挙動を解析した。その結果、同期・非同期のスイッチングにバースト発火が果たす意外な役割が明らかになった。すなわち、結合した2ニューロン系において、一周期当たりのスパイク数が丁度変化するところで同期解の安定性が劇的に切り替わることが示された。現実の神経系では神経伝達物質などでスパイク数が制御可能であると考えられており、高次機能を司る部位でよく見られるバースト発火が同期・非同期のスイッチングを通じて、テンポラルコーディングや注意の素早い切り替えに寄与している可能性がある。 また、皮質の局所回路を研究する過程で、抑制ニューロンに広く存在するギャップ結合の意義について理論的に興味深いことが示唆された。最近の生理学実験によると、(1)ギャップ結合は同種の抑制性ニューロンに広く存在(2)抑制性ニューロンに存在するKチャンネルは興奮性ニューロンに存在するものとは遺伝子的にも電気生理的性質も異なったKv3.1/3.2系列のチャンネル(通常の興奮性ニューロンはKv1.3)、などの事実が判明している。数理モデルの観点からは、互いの膜電位を同じ値にしようとする拡散的結合でモデル化でき、一見同期現象を促進するように見える。しかし、ギャップ結合だからといって常に同期状態のみを安定化するのではなく、神経細胞に存在するイオンチャンネル等の違いが影響する事が判明した。また、多様なスパイクタイミングを学習などにより効率的に実現できるのはKv3.1/3.2のKチャンネルとギャップの共存が必要であり、抑制性ニューロン間にギャップ結合が広く見られる理由の一つとして考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Toshio Aoyagi, Takashi Takekawa, Tomoki Fukai: "Gamma Rhythmic Bursts : Coherence Control in Networks of Cortical Pyramidal Neurons"Neural Computation. (印刷中).
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[Publications] Masaki Nomura, Toshio Aoyagi, Masato Okada: "Two-level hierarchy with sparsely and temporally coded patterns"Neural Networks. (印刷中).
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[Publications] T.Aoyagi, Y.Kang, N.Terada, T.Kaneko, T.Fukai: "The role of Ca2+-dependent cationic current in generating gamma frequency rhythmic bursts : modeling study"Neuroscience. 115. 1127-1138 (2002)
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[Publications] Daisuke Suzuki, Toshio Aoyagi: "Phase Locking States in Netwrok of Inhibitory Neuron : A Putative Role of Gap Junction"Journal of the Physical Society of Japan. 71. 2644-2648 (2002)
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[Publications] T.Fukai, K.Kitano, T.Aoyagi, Y.Kang: "Modeling the layer V cortical pyramidal neurons showing theta rhythmic Bursting in the presence of muscarine"Neurocomputing. 44-46. 103-108 (2000)
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[Publications] Nasaki, Nomura, Tomoki Fukai, Toshio Aoyagi: "Synchrony of Fast-Spiking Interneurons Interconnected by GABAergic and Electrical Synapses"Neural Computation. (印刷中).