2001 Fiscal Year Annual Research Report
高度感音難聴モデルマウスの繁殖・維持と聴覚系機能解析
Project/Area Number |
13035045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
渡辺 美智子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10158660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 紀子 戸板女子短期大学, 食物栄養, 教授 (30056717)
馬目 佳信 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30219539)
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Keywords | 難聴 / モデルマウス / 先天性 / 内耳神経系 / 機能解析 |
Research Abstract |
高度感音難聴マウスである、くるくる;KURU^2(KRU)は難聴と共に左右への毎秒1-5回転の回転運動を伴うという特徴を持つ.我々はその表現型をもとにJcl:ICRマウスより分離・樹立を行ったものであるが、系統保存のための飼育施設が課題であった.本課題研究により13年度には飼育施設の充実が図られ、戸板女子短期大学・衛生学研究室に加え慈恵医大実験動物施設で繁殖・系統維持が行えるようになった.また、KRUは本研究開始時までの7年間に継代27(F27)まで達していたが、その症状発現と繁殖性は安定しているものの産仔数に対し成育する仔数は低率であった.このため、13年度に飼育環境の充実と母親の栄養補充等を行った結果、成育仔数の増加と成育仔のほぼ100%で症状発現が観察できるようになった.また、難聴機能に関与する形態変化を観察するために、1.マウスの週齢を1-4週齢、5-8週齢、9-24週齢および1年以上として、それぞれ脱灰組織標本を作製した.2.有毛細胞の変化についてはNormal-ICRとKRUの電子顕微鏡標本を作成し電顕レベルでの変化を現在、比較検討中である.3.KURとの関与解明が必要とされる難聴に関する遺伝子については比較検討のための準備が整い、既知のnonsyndromic deafness gene 9種についてmutationがあるかどうかをマイクロサテライト法で検討する予定である.また、KRUとwild-Jcl:ICRマウスをかけあわせた結果、すべてのF1で症状発現が観察できなかったことから本形質は常染色体劣性遺伝によると思われる.さらに本形質が1本(個)の遺伝子異常によるものか、2本にわたるのかを明らかにするためクロスバックを行いF2での症状発現比率が1:1あるいはそれ以下であるのかを検討する予定である.
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