2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経特異的スプライシング因子、NSSRの機能解析と遺伝子破壊マウスの表現型解析
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13035061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
塚原 俊文 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 研究員 (60207339)
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Keywords | RNAスプライシング / 神経特異的 / SRタンパク質 / 遺伝子破壊マウス / ツーハイブリッド / タンパク質相互作用 |
Research Abstract |
神経に発現する多くの遺伝子が選択的スプライシングによる制御を受けることが明らかとなっている。神経特異的なスプライシング制御機構解明の第一歩として、神経に特異的に発現する新規スプライシング因子であるNSSR1および2の機能を解析するため、遺伝子破壊マウスを作成した。第一エクソンを含む約16kbのNSSRゲノム遺伝子を単離し、制限酵素マップを作成した。マップに基づき、第一エクソンとその周辺をNeoカセットと組み換えるターゲティングベクターを構築した。ターゲティングベクターをエレクトロポレーション法によってES細胞に導入し、遺伝子が組み換えられた細胞を選択した。組み換えES細胞をブラストサイトにマイクロインジェクションして生殖細胞にトランスミットしたキメラマウスを作成し、最終的に一系統のheteroマウスを得た。Heteroマウスを交配したところhomoマウスが誕生した。Homoマウスは一見正常であり、行動解析も含めた今後の解析が必要であると考えられた。 一方、神経でのスプライシング機構におけるNSSR遺伝子の役割を明らかにするため、NSSR1あるいは2に結合するタンパク質の検索を行った。SR部位が破壊されているNSSR2をbaitにしたscreeningでASF/SF2、Srp20、tra2βといったSRタンパク質が単離された。従来、SRタンパク質はお互いにSR部位で結合すると考えられており、興味深い知見であった。また、NSSR2はscaffold結合因子BやRNA結合タンパク質とも結合した。またNSSR1、2は共に70K-U1snRNPと結合することも明らかとなった。これらの結果は、NSSRタンパク質が他のSRタンパク質と協調して神経でのスプライシングの調節を行っている事を示唆した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] YJ Kim, S Noguchi, YK Hayashi, T Tsukahara 他: "The product of an oculopharyngeal muscular dystrophy gene, poly(A)-binding protein 2, interacts with SKIP and stimulates muscle-specific gene expression"Hum Mol Genet.. 10. 1129-1139 (2001)
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[Publications] T Tsukahara, S Tsujino, K Arahata: "cDNA microarray analysis of gene expression in fibroblasts of patients with X-linked Emery-Dreifuss muscular dystrophy"Muscle Nerve. (印刷中). (2002)
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[Publications] W Aerbajinai, T Ishihara, K Arahata, T Tsukahara: "Increased expression level of the splicing variant of SIP1 in motor neuron diseases"Int.J.Biochem.Cell Biol.. (印刷中). (2002)
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[Publications] T Tsukahara, K Arahata: "Methods in Molecular Medicine-Neurogenetics : Methods and Protocols Nicholas T Potter,Ed"Humana Press (印刷中). (2002)