2001 Fiscal Year Annual Research Report
STAM1・STAM2二重欠損マウスにおけるT細胞分化異常の研究
Project/Area Number |
13037001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅尾 裕信 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80250744)
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Keywords | STAM1 / 2 / サイトカイン情報伝達 / T細胞特異的遺伝子欠損マウス / アポトーシス |
Research Abstract |
我々はサイトカイン情報伝達系に関わると考えられるSTAM1/2のin vivoでの機能を調べるためにそれぞれの欠損マウスを作成したが、IL-2やGM-CSF反応性に異常はみられず、T細胞等の発生にも異常はなかった。ところがSTAM1/2の二重欠損マウスは胎生11.5日までに全て死亡した。本研究ではlck-Cre遺伝子導入マウスを用いT細胞特異的STAM1/2欠損マウスを作成し解析を行った。 1.T細胞特異的STAM1/2欠損マウスでは、胸腺細胞数は対照マウスに比べ約40%に減少し、TUNEL染色陽性細胞が増加していた。胸腺内SP細胞の比率が低下していたが、DN細胞におけるCD44CD25マーカーによる各分化段階の割合は正常であった。脾臓、リンパ節の成熟T細胞は著名に減少していた。2.抗CD3抗体とIL-2、IL-7の共刺激下での全胸腺細胞あるいはCD4SP胸腺細胞の増殖反応は有意に低下していた。胸腺細胞のin vitro培養時の生存率を調べた結果、DP、CD4SP細胞ともに生存率が有意に低下していたが、Bcl-2の発現などに差異は認めなかった。3.STAMはTCR刺激にてもチロシンリン酸化される分子であり、上記表現型がTCRシグナルの異常によるものなのかを調べるため、抗CD3抗体によるTCR刺激後の情報伝達能を調べた。DP胸腺細胞では、各種蛋白のチロシンリン酸化、ERKJNKのリン酸化およびP38 MAPKの活性に差異は認めなかったが、CD4SP胸腺細胞では、JNK、P38MAPKのリン酸化は有意に亢進していた。TCR刺激における細胞内カルシウム濃度の上昇についても調べたが、DP胸腺細胞、CD4SP胸腺細胞において差異は認めなかった。現在STAM1/2欠損がどめようなメカニズムにより細胞死を誘導するのかについて解析を続けているところである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kazu Kikuchi et al.: "Suppression of Thymic Development by the Dominant-negative Form of Gads"Int. Immunol.. 13. 777-783 (2001)
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[Publications] Hironobu Asao et al.: "The common gamma chain (γc) is an indispensable subunit of the IL-21 receptor complex"J. Immunol.. 167. 1-5 (2001)
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[Publications] Eiji Morita et al.: "Human parvovirus B19 induces cell cycle arrest at G2 phase with accumulation of mitotic cyclines"J. Virol.. 75. 7555-7563 (2001)
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[Publications] Fumiko Itoh et al.: "Promoting bone morphogenetic protein signaling through nagative regulation of inhibitory smads"EMBO J.. 20. 4132-4142 (2001)
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[Publications] Naoto Ishii et al.: "Loss of Neurons in the Hippocampus and Cerebral Cortex of AMSH-Deficient Mice"Mol. Cell. Biol.. 21. 8626-8637 (2001)