2001 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインシグナル抑制分子による機能機能型T細胞分化制御機構
Project/Area Number |
13037031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
久保 允人 東京理科大学, 生命科学研究所, 助教授 (40277281)
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Keywords | T細胞機能分化 / Th1 / Th2 / サイトカインシグナル / SOCS / IL-4 |
Research Abstract |
分化誘導時におけるサイトカインの存在はTh1およびTh2への機能分化において非常に重要な働きを持っていることが証明されている。ナイーブT細胞がTh2へと分化していくためには、IL-4レセプターシグナル伝達系により、転写因子STAT6が活性化される必要がある。このIL-4シグナルはTh2細胞では機能していたが、Th1細胞ではSTAT6の活性化が起こりにくい状態にあり、レセプターが発現されているにも関わらず、IL-4シグナル伝達系が抑制的に調節されていた。そこで我々は、Th1ではα鎖に会合してJak1の会合を障害している分子の存在を想定し解析を行った結果、サイトカインシグナル伝達系を抑制的に調節するファミリー分子として同定されたsuppressor of cytokine signaling(SOCS)分子の一つSOCS-5が会合することを見いだした。そのSOCS-5の発現はIL-12によってTh1特異的に発現が誘導され、チロシンリン酸化とは無関係にIL-4Ra鎖に会合する。この会合はJak1のIL-4Ra鎖への会合を阻害するため、IL-4依存的に誘導されるSTAT6の活性化を抑制し、その結果Th2分化を抑制していた。これに対しSOCS-3はIL-4依存的に発現が制御され、その結果その発現はTh2細胞特異的であった。我々はT細胞機能分化におけるSOCS-3の働きを解析する目的で、トランスジェニック(Tg)マウスを作製した。これらTgマウスのT細胞の機能分化を見ると、Th1分化が顕著に抑制され、それに呼応してTh2分化が促進していた。これに対し、サイトカイン抑制活性を消失させた変異体SOCS-3を発現するTgマウスでは、逆にTh1分化が促進する傾向にあった。SOCS-3Tgの解析からSOCS-3はIL-12依存的に誘導されるSTAT4の活性化を抑制し、その結果Th1分化を抑制していた。以上のことから、SOCS-5及びSOCS-3は、初期分化過程に存在するサイトカインによって特異的に誘導され、T細胞機能分化におけるサイトカインネットワークバランスに変化を与えることにより、生体で起こる免疫反応を大きく変化させる働きを持っていた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 久保允人: "CIS3/SOCS3/SSI3 plays a negative regulatory role in STAT3 activation in the colon epithelial cells and intestinal inflammation"Journal of Experimental Medicine. 193. 471-482 (2001)
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[Publications] 久保允人: "Novel role of PI3-K in CD28-mediated costimulation"Journal of Biological Chemistry. 276. 9003-9008 (2001)
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[Publications] 久保允人: "A mutant form of JAB/SOCS1 augments the cytokine-induced JAK/STAT pathway by accelerating degradation of wild-type JAB/CIS family proteins through the SOCS-box"Journal of Biological Chemistry. 276. 40746-40754 (2001)
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[Publications] 久保允人: "IL-4 mediated enhancement of TGF-β1 production from naive CD4+T cells through a STAT6 independent mechanism"European Journal of Immunology. 193. 471-482 (2001)
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[Publications] 久保允人: "The IL-4 Production Capability of Different Strains of Naive CD4^+ T cells controls the Direction of the Helper T cell response"International Immunology. 14. 1-11 (2002)
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[Publications] 久保允人: "Development of the atopic dermatitis (AD)-like skin lesions in signal transducers and activators of transcription (STAT) 6 deficient NC/Nga mice"Journal of Immunology. 168. 2020-2027 (2002)
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[Publications] 久保允人: "免疫 2002"岸本忠三編集 中山書店. 250 (2001)
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[Publications] 久保允人: "Annual Review 免疫 2002"奥村康, 平野俊夫, 佐藤昇志編集 中外医学社. 310 (2001)