2001 Fiscal Year Annual Research Report
海馬シナプス前終末におけるPKC増強メカニズムの素過程解析
Project/Area Number |
13041003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八尾 寛 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (00144353)
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Keywords | カルシウムチャネ / カルシウムイオン / ストロンチウムイオン / 海馬 / 苔状繊維 / シナプス前終末 / 開口放出 / 伝達物質放出 |
Research Abstract |
海馬CA3領域の苔状線維シナプスにおけるC-キナーゼの作用を検討するにあだり,平成13年度は,緩衝能の弱いSr^<2+>で細胞外Ca^<2+>を置き換えて,活動電位にともなう細胞内Sr^<2+>濃度応答をCa^<2+>感受性色素で測定した.そして,Ca^<2+>チャネルサブタイプ特異的なアンタゴニストを用いて,シナプス前終末のサブタイプの分類を試みた.その結果,Nタイプ(Ca_v2.2),P/Qタイプ(Ca_v2.1),Lタイプ(Ca_v1.2/1.3),Ca_v2.3を有するRタイプの4種類が同定された.サブタイプの発現比率は計測ごとに大きくばらつくことから,個々のシナプス前終末における発現頻度が異なることが考えられた.現在,共焦点顕微鏡下に単一苔状線維シナプス前終末のSr^<2+>応答を計測し,単一の苔状線維シナプスにおけるSr^<2+>流入を比較することにより,この仮説を検討している.また,Ca^<2+>流入の伝達物質放出に対する寄与の効率をそれぞれのサブタイプについて比較した.Ca_v2.3を有するRタイプは,比較的大きなCa^<2+>流入を引き起こしたが,伝達物質放出の寄与が小さいことが示された.すなわち,Ca_v2.3を有するRタイプのCa^<2+>流入の伝達物質放出効率は低かった,これに対し,NタイプP/QタイプのCa^<2+>流入は高い伝達物質放出効率を示した.Ca_v2.3を有するRタイプCa^<2+>チャネルは,速い伝達物質放出と異なる機能と連関していることが示唆される.
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