2002 Fiscal Year Annual Research Report
膜蛋白質に特有のプロテオリシスのメカニズムと、神経発生における生理的意義
Project/Area Number |
13041009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
服部 光治 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60272481)
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Keywords | 脳 / 神経細胞 / 分解 / 遺伝子 |
Research Abstract |
神経系の正確な発生のためには、細胞間コミュニケーションが様々なレベルで厳密に制御される必要がある。申請者は、神経細胞の軸索誘導において重要な役割を果たすephrin-A2が、その受容体(EphA受容体型チロシンキナーゼ)に結合すると、特異的な分解を受けること、及びこの分解が軸索の退縮に重要であることを見い出した(Science 289:1360(2000))。この知見を踏まえ、やはり神経発生、特に神経細抱の移動に必須とされる分子Reelinの分解経路についても解析した。その結果Reelinlには3カ所の特異的分解部位が存在すること、分解産物のうちいくつかは、分解後も複合体を形成していること、この分解は血清中の何らかの分子によって阻害されることを見いだした。また、Reelinの神経細胞内への取り込みについても解析し、それが細胞内アダプター蛋白質Dab1によって調節されていることを見いだした。さらに、Reelin添加によって発現の変化する遺伝子をスクリーニングし。候補分子をいくつか同定した。以上のことから、神経発生において、膜蛋白質及び細胞外蛋白質の分解が高度に制御されており、これを解析することで、蛋白質分解が関与される神経系の病態や高次機能調節の理解にも重要な貢献をできると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Suetsugu, S., Hattori, M.et al.: "Sustained Activation of N-WASP through phosphorylation is essential for neurite extension"Developmental Cell. 3. 645-658 (2002)
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[Publications] Zhang, S. et al.: "Protein 4.1N is required for translocation of IP3R1 to the basolateral membrane domain of MDCK cells"J.Biol.Chem.. 278. 4048-4056 (2003)