2001 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス形成における成長円錐における開口放出の分子機構の成熟過程とその役割り
Project/Area Number |
13041019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
五十嵐 道弘 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50193173)
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Keywords | SNARE機構 / シンタキシン / カルモジュリン依存性キナーゼII / カルシウム / リン酸化 / 開口放出 |
Research Abstract |
シナプスは神経回路における最も重要な素過程であり、この部分の分子機構の解明は神経科学の最重要課題の1つである。われわれはSNARE機構の中核分子syntaxinにCa/ATP依存性に結合する蛋白質を脳から検索して、新たに2種類の蛋白質がsyntaxinに結合することを見出した。そのうち、カルモジュリン依存性蛋白キナーゼII(CaMKII)とsyntaxinの相互作用について、詳細に解析した。 この結合は、Ca^<2+>濃度が10^<-6>M以上になったときだけ生じ、CaMKIIが自己リン酸化したものだけが結合することを証明した。また脱リン酸化や、Ca^<2+>濃度減少で結合も減少することから、この結合は可逆的である。CaMKIIはsyntaxinのlinker domainと呼ばれるシンタキシンの構造変化に重要な部位に結合する事がわかった。CaMKIIの触媒能はこの結合の有無に無関係であった。SyntaxinはCaMKII, SNAP-25, synaptotagmin Iと内因性の複合体を形成していることがわかった。またCaMKIIはMunc-18と競合して、open formに結合するものと結論された。 クロマフィン細胞で開口放出によるカテコールアミンの遊離をamperometry法で測定したところ、結合部位であるlinker domainは開口放出頻度を半減させた。また上頸神経節細胞では後細胞側のシナプス後電位(EPSP)を測定したところ、linker domain注入細胞ではEPSPの低下が見られた。以上の結果は、linker domainが内因性のCaMKIIとsyntaxinの相互作用を阻害した結果、生じたものと解釈される。従って、CaMKIIとsyntaxinのCa^<2+>/ATP依存性結合は開口放出の生理的調節に大いに寄与していることが証明された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ohyama A et al.: "Regulation of exocytosis through Ca^<2+>/ATP-dependent binding of autophosphorylated Ca2MKII to Syntaxin CA"Journal of Neuroscience. 22(印刷中). (2002)
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[Publications] 五十嵐道弘: "脳の発生・分化・可塑性(御子柴克彦, 清水孝雄編)"共立出版(印刷中). (2002)