2001 Fiscal Year Annual Research Report
CRMP-2による神経軸索・樹状突起の運命決定機構の解明
Project/Area Number |
13041042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
稲垣 直之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (20223216)
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Keywords | 神経細胞 / 軸索 / 樹状突起 / 極性 / CRMP-2 / チューブリン / 微小管 |
Research Abstract |
1)CRMP-2結合蛋白質の同定 我々は最近、CRMP-2という細胞内蛋白質が海馬培養神経細胞の軸索に濃縮することを見いだした。また、CRMP-2を神経細胞に外来性に高レベル発現させると、神経極性に乱れが生じ通常は1本しか形成されない軸索が複数形成された。以上の結果はCRMP-2が神経細胞の軸索形成と極性形成に重要な役割をはたす可能性を示唆する。本研究ではCRMP-2による神経細胞の軸索形成と極性形成機構の解明のためにCRMP-2と相互作用する蛋白質をアフィニティーカラム法およびyeast two-hybrid法を用いてスクリーニングした。その結果、アクチンとチューブリンが同定された。 2)CRMP-2の微小管形成に対する作用の解析 CRMP-2のさまざまなフラグメントを用いて微小管とのcosediment assayをおこない、少なくともCRMP-2の323番目から381番目のアミノ酸の部分が微小管との結合に寄与していることが明らかとなった。この部位は、CRMPのアイソフォーム間、種間で比較的高いホモロジーを有している部位である。次にCRMP-2がチューブリンあるいは微小管に結合することによって、微小管の動態にどのような作用を及ぼすかについて、暗視野顕微鏡を用いて調べた。その結果、微小管に結合するフラグメントおよび全長のCRMP-2が微小管の重合を促進することがわかった。一方、微小管に結合しないフラグメントは微小管の重合を促進しなかった。また野生型のCRMP-2は神経細胞の突起形成を促進したが、チューブリン結合部位を欠くCRMP-2は神経突起形成を促進しなかった。以上のことから、神経軸索形成や極性形成CRMP-2とチューブリンとの相互作用が関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Canossa, M., et al.: "Regulated secretion of neurotrophins by metabotropic glutamate group I (mGIuRI)-and Trk-receptor activation is mediated via phospholipase C signaling pathways"EMBO J.. 20. 1641-1650 (2001)
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[Publications] Inagaki, N., et al.: "CRMP-2 induces Axons in Cultured Hippocampal Neurons"Nature Neurosci.. 4. 872-873 (2001)
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[Publications] Taya, S., et al.: "Direct Interaction of Insulin-like growth factor-1 receptor with leukemia-associated RhoGEF"J. Cell Biol.. 155. 809-819 (2001)
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[Publications] Oguri, T., et al.: "Proteome analysis of rat hippocampal neurons by multiple large gel two-dimensional electrophoresis"Proteomics. (印刷中). (2002)
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[Publications] 稲垣直之, 貝淵弘三: "CRMP-2は海馬神経細胞の軸索形成を誘導する"細胞工学. 20(10). 1408-1409 (2001)
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[Publications] 深田優子, 稲垣直之, 貝淵弘三: "神経細胞の極性:神経軸索と樹状突起の運命決定"細胞工学. 52(3). 230-234 (2001)
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[Publications] 有村奈利子, 稲垣直之, 貝淵弘三: "CRMP-2による神経極性形成の制御機構"実験医学. 17(11). 2309-2311 (2001)
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[Publications] 稲垣直之: "高解像度ラージゲルを用いた二次元電気泳動法による細胞内発現蛋白質の網羅的検出"実験医学. 21(1). 85-88 (2002)
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[Publications] 稲垣直之, 貝淵弘三: "神経細胞の軸索および極性形成の分子機構"生体の科学. 52(3). 230-234 (2001)