2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13043015
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸本 健雄 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (00124222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 順也 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00273839)
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Keywords | 細胞周期 / M期 / G1期 / サイクリンB-Cdc2 / Cdc25 / p90Rsk / p27 / Jab1 |
Research Abstract |
細胞周期制御の基幹因子であるCdk-サイクリンの活性を制御する因子群について、現実に生きた細胞内におけるネットワークの解明をめざした。 1.ヒトデ卵の減数分裂期から初期卵割期において、サイクリンB-Cdc2の活性化因子であるCdc25の初期活生化について解析した。その結果、減数第一分裂再開時および第一/第二分裂移行時においては、Cdc25はSer188のリン酸化によって制御されていることが判明した。このリン酸化をもたらす因子(trigger kinase)は、減数第一分裂再開時はAkt/PKBであるのに対し、第一/第二分裂移行時はMos-MAPキナーゼの直下で機能するp90Rskであった。それに対し、受精後の卵割周期では、Cdc25はSer188のリン酸化を受けておらず、trigger kinaseは別のものであることが確かとなった。現在、Plk1(polo-like kinase 1)の可能性を検討中である。これらの結果は、Cdc25のM期での制御のされ方が細胞周期のタイプの違いによって異なることを初めて示すものである。 2.Cdkインヒビターp27を負に制御するJab1について、その遺伝子座に変異を導入したES細胞をマウス受精卵に導入し、遺伝子改変マウスを作製して解析した。Jab1ノックアウトマウスは胎生致死で、原腸形成期以前に死亡した。この際、標的候補因子であるサイクリンE、p53がん抑制遺伝子産物、p27の発現が上昇し、細胞増殖が抑えられ、アポトーシスが亢進していた。また、Jab1+/-マウスは小型化し、Jab1+/-細胞はp27の発現上昇を伴ってS期への進行が遅くなった。以上のことから、Jab1は、p27のみならず複数の細胞周期制御因子を介してG1サイクリン-CDK活性を調節することがマウス個体で確かめられた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Okano-Uchida, T.他: "Distinct regulators for Plk1 activation in starfish meiotic and early embryonic cycles"EMBO J.. 22. 5633-5642 (2003)
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[Publications] Terasaki, M.他: "Localization and dynamics of Cdc2-cyclin B during meiotic reinitiation in starfish oocytes"Mol.Biol.Cell. 14. 4685-4694 (2003)
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[Publications] Kishimoto, T.: "Cell cycle control during meiotic maturation"Curr.Opin.Cell Biol.. 15. 654-663 (2003)
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[Publications] Fukumoto, A.他: "Prognostic significance of localized p27 Kip1 and potential role of Jab1/CSN5 in pancreatic cancer"Oncol.Rep.. 11. 277-284 (2004)
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[Publications] Uchida, A.他: "Morphological and biochemical changes of neurofilaments in aged rat sciatic nerve axons"J.Neurochem.. 88. 735-745 (2004)
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[Publications] Kishimoto, T.: "More than G1 or G2 arrest : Useful starfish oocyte system for investigating skillful MAP kinase"Biol.Cell. 96(印刷中). (2004)
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[Publications] 竹内隆, 岸本健雄: "発生における細胞増殖制御(編集)"シュプリンガーフェアラーク東京. 198 (2004)