2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13043019
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西田 育巧 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50107059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 嘉典 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20212326)
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Keywords | ショウジョウバエ / 酵母 / 細胞増殖 / 成長 / 減数分裂 / 突然変異 / アクチン / コヒーシン |
Research Abstract |
生物の個体や器官の大きさを決める仕組みは生命の基本機能の一つであるが、その分子機構については殆ど未知である。ショウジョウバエの発育と細胞周期に異常を示す突然変異gcc(growth and cel cycle affected)の解析から、進化的に保存された新規の遺伝子ファミリーを同定した。本年度は、gcc hypomorphでは、細胞のサイズと数が減少することによって個体のサイズが小さくなることを見い出した。BサブファミリーについてRNAiによる遺伝子阻害実験を行い、生存に必須でないが、ナトリウムイオンに対する体感受性が高まることを見い出した。また、この遺伝子の強制発現でアポトーシスが誘発され、複眼や翅などに形態異常を生じることを見い出した。フォスファターゼモチーフを有するが、HAタグをつけた遺伝子を個体で発現させ、精製した標品にフォスファターゼ活性を認めた。Cサブファミリーについても解析を行い、P因子挿入系統から欠失変異体を作成し、その表現型解析を行った。その結果、約半数は胚期に致死となり、頭部陥入異常などの異常を示した。escaperにおいては、翅脈や平均焜の異常が見い出され、発育よりも、形態形成に関わる遺伝子であることを見い出した。出芽酵母gcc-Aの温度感受性突然変異体を作成し、高レベル発現で温度感受性変異体を抑圧する遺伝子の検索を進めつつある。(西田) コヒーシンは、染色体の分配様式を規定する上で本質的な役割をもつ。コヒーシンRad21とRec8は、それぞれ体細胞分裂の均等分裂と減数分裂の還元分裂に必須の役割をもつ。しかし、還元分裂の確立にはRec8の発現のみでは不十分であり、そこに新たな減数分裂特異的な因子を発現させることにより、還元分裂が誘導される可能性が考えられた。Rad21の代わりにRec8を発現させた増殖中の酵母に、さらに減数分裂細胞より作成したcDNA発現ライブラリーを導入し、還元分裂様の染色体分配を促進するものを選別した。その結果、減数分裂特異的な新規の遺伝子を単利することができた。現在、その遺伝子の解析を行っている。(渡辺)
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Mizuno, T.: "Drosophila myosin phosphatase and its role in dorsal closure"Development. 29. 1808-1814 (2002)
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[Publications] Higuchi, T.: "Protein kinase A regulates sexual development and gluconeogenesis through phosphorylation of a Zn-finger transcriptional activator Rst2p in fission yeast"Mol.Cell, Biol. 22. 1-11 (2002)
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[Publications] Sato, M: "14-3-3 protein interferes with the binding of RNA to the phosphorylated form of fission yeast meiotic regulator Mei2p"Curr.Biol.. 12. 141-145 (2002)
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[Publications] Nonaka, N: "Recruitment of cohesin to heterochromatic regions by Swi6/HP1 in fission yeast"Nature Cell Biol.. 4. 89-93 (2002)