2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13043024
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
眞貝 洋一 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (20211972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 誠 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (80303915)
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Keywords | テロメア / TRF1 / テロメラーゼ / TRF2 / TIN2 / 細胞増殖 / 染色体の安定性 / DNA障害チェック機構 |
Research Abstract |
1.テロメア結合因子TRF1による哺乳類テロメア構造の維持機構の解明 TRF1をコンディショナルに欠損させることが出来るマウスES細胞の解析から、TRF1はテロメア配列の長さの調節だけでなく、細胞の増殖や機能的テロメア構造維持に重要な役割を持つことを示してきた(Iwano et al. JBC 2003)。平成17年度は、TRF1欠損によりテロメア局在が低下あるいは消失するTRF2およびTin2分子が、TRF1欠損により観察される細胞増殖阻害や染色体の不安定性と如何に関わっているかを明らかにすべく、解析を進めた。その結果、TRF1欠損によって誘導される増殖阻害とH2AXのリン酸化は、TRF2のテロメア局在低下によって引き起こされていること、さらに、このTRF2のテロメア局在低下はTRF1の消失によるTin2のテロメア局在消失によって引き起こされていること(つまり、TRF2のテロメア局在の一部はTin2によって調節されていること)を明らかにした。一方、TRF2の局在の回復では、TRF1欠損で誘導される染色体の不安定性や異常なテロメアシグナルの出現は抑制されなかった。以上より、TRF1による機能的テロメア構造維持機構には、TRF2を介する経路とそれ以外の経路が存在することが示唆された。 2.ALT機構におけるRad54の役割 これまでの解析から、哺乳類のテロメラーゼ非依存的なテロメア維持機構(ALT機構)には、相同組換え機構が機能していることが示唆されてきた。今回、Rad54を欠損させたALT細胞におけるテロメア維持を解析した。その結果、Rad54が欠損したALT細胞では、一般的なDNA相同組換え修復能が低下していたにもかかわらず、ALT機構の阻害は観察されず、ALT細胞特異的に観察されるテロメア部分での姉妹染色分体間での交差反応も存在していた。以上の結果より、テロメア部分でのテロメラーゼ非依存的テロメア維持には、Rad54とは非依存的なDNA組換え修復機構が中心的役割を持つことが示唆された。
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