2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13043039
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
関口 猛 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (60187846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
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Keywords | RCC1 / Rag A / RNA結合タンパク質 / Skp2 / ユビキチン化 / p27^<Kip1> |
Research Abstract |
関口は、ハムスターのBHK21株より、温度感受性株tsET24株を分離しその変異遺伝子がRNAヘリカーゼDBXであることを同定した。出芽酵母の相同遺伝子はDED1でありRCC1と相互作用することがしめされている。tsET24株の表現型の解析からDBX遺伝子の機能が失われると細胞周期の進行に必須の働きをしているサイクリンAとサイクリンBたんぱく質の量が減少することが分かった。その原因を調べてみると、まずサイクリンAとサイクリンBタンパク質の合成が特異的に減少していた。そのときに全体のタンパク質合成量は減少しておらず、サイクリンD1のタンパク質の合成も減少していなかった。さらに、サイクリンD1のRNA量が減少していないのに、サイクリンAとサイクリンBのRNA量が減少していた。このことより、DBX遺伝子の機能のひとつにサイクリンAとサイクリンBのRNAの安定性の維持があることが示唆された。また、RCC1-Ran系に関わるGタンパク質のRagAに結合する227(Nop132)が細胞増殖に必須で核小体タンパク質であることを示した。 中山は、Skp2ノックアウトマウスの解析から、Skp2が欠損するとp27の分解はS〜G2期にかけて傷害されるが、G0-G1移行期におけるp27の分解は正常に起こることを発見した。そこでG0-G1移行期で働く新規ユビキチンリガーゼを精製し、そのアミノ酸配列を同定した。これらはKPC(Kip1-ubiquitylation Promoting Complex)1およびKPC2と命名され、KPC1とKPC2は複合体を形成し、p27をユビキチン化することができる。KPC1とKPC2は共に細胞質に共発現しており、KPC1とKPC2を細胞に過剰発現させるとp27のG0-G1移行期における分解が促進され、逆にKPC1の変異体とKPC2を過剰発現させると、その分解が遅延することなどから、KPCが細胞質に輸送されてきたp27をユビキチン化することが示唆された。このことは、p27の分解が核外輸送とそれに引き続くユビキチン依存性分解という機構で行われており、これは速やかに細胞周期ブレーキを不活性化するための戦略であると考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shirane, M., Nakayama, K.I.: "Inherent calcineurin inhibitor FKBP38 targets Bcl-2 to mitochondria and inhibits apoptosis"Nature Cell Biol. 5. 28-37 (2003)
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[Publications] Nakamichi, I., Hatakeyama, S., Nakayama, K.I.: "Formation of Mallory body-like Inclusions and cell death induced by deregulated expression of keratin 18"Mol. Biol. Cell. 13. 3441-3451 (2002)
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[Publications] Imai, Y., Soda, M., Hatakeyama, S., Akagi, T., Hashikawa, T., Nakayama, K.I., Takahashi, R.: "CHIP is associated with Parkin, a gene responsible for familial Parkinson's disease, and enhances its ubiquitin ligase activity"Mol. Cell. 10. 55-67 (2002)
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[Publications] Miyamoto, A., Nakayama, K., Imaki, H., Hirose, S., Jiang, Y., Abe, M., Tsukiyama, T., Nagahama, H., Ohno, S., Hatakeyama, S., Nakayama, K.I: "Increased proliferation of B cells and auto-immunity in mice lacking protein kinase Cδ"Nature. 416. 865-869 (2002)
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[Publications] Ishida, N., Hara, T., Kamura, T., Yoshida, M., Nakayama, K., Nakayama, K.I.: "Phosphorylation of p27^<Kip1> on serine 10 is required for its binding to CRM1 and nuclear export"J. Biol. Chem. 277. 14355-14358 (2002)
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[Publications] Yamanaka, A., Yada, M., Imaki, H., Koga, M., Ohsima, Y., Nakayama, K.I.: "Multiple Skp1-related proteins in Caenorhabditis elegans. Diverse patterns of interaction with Cullins and F-box proteins"Curr. Biol. 12. 267-275 (2002)