2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13043046
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西沢 正文 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20218150)
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Keywords | 細胞周期 / 酵母 / サイクリン依存性キナーゼ / 糖代謝 / ジーンチップ |
Research Abstract |
1.Pho85-サイクリン遺伝子の栄養源による発現制御 すでにノーザン解析の結果から、定常期(〜48時間)ではPCL5の発現量が減少し、PCL7の発現量が上昇することを見いだしていたが、ジーンチップを用いた解析結果からは22時間までの培養時間中に10種のサイクリンの内どれも顕著な発現量の変動を見せなかった。一方、非発酵性炭素源ではPCL7以外のサイクリンの発現量の減少が見られた。これらのことは、Pho85-サイクリン遺伝子の発現制御は培養時間と炭素源でそれぞれ異なる機構で行われている可能性、そしてdiauxic shiftに伴う遺伝子発現変化に対するPHO85の影響(後述)にはサイクリン蛋白質の安定性の方が重要な役割を果たしている可能性を示している。このことを確認するために各サイクリン遺伝子のプロモーター(〜1kb)とlacZのレポーターを作製したが、一部のものしか十分な活性を示さなかったため、現在2kbまで伸ばしたものを作製中である。 2.栄養源からのシグナル伝達機構におけるPho85キナーゼの標的の探索と同定 Diauxic shiftに伴う遺伝子発現の変化に対するpho85変異の影響を調べるため、培養開始後、9, 13, 17, 22時間に抽出したmRNAについてジーンチップ解析を行った。Diauxic shiftに伴い、糖代謝系のシフト、ミトコンドリア機能の昂進、蛋白質合成の低下が起こることが知られているが、pho85欠失株ではこのような変化に伴う遺伝子発現の変動が正しいタイミングで起こらないことがわかった。糖新生系およびglyoxylate cycle酵素遺伝子の上流にはCSREと呼ばれる調節配列があるが、この配列を持つERG13やCYB5でもpho85欠失株ではdiauxic shift後の発現上昇が見られないことから、CSREを介した発現制御にPHO85が関与している可能性が考えられる。また微量元素金属センサーであるCTR1, CTR3, FRE7, ZRT1の発現もpho85欠失株では正しく制御されず、これらを共通して制御する転写因子Mac1がPho85の標的である可能性が考えられる。これらの結果は、Pho85キナーゼがこれまで考えられていた以上に広い範囲で栄養源からのシグナル伝達に関与している可能性を示している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] A.Toh-e, M.Nishizawa: "Structure and function of cyclin-dependent Pho85 kinase of Saccharomyces cerevisiae"J.Gen.Appl.Microbiol.. 47. 107-118 (2001)
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[Publications] M.Nishizawa: "Negative regulation of transcription by the yeast global transcription factors, Gal11 and Sin4"Yeast. 18. 1099-1110 (2001)
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[Publications] M.Nishizawa: "Pho85 kinase, a yeast cyclin-dependent kinase, regulates the expression of UGP1, encoding UDP-glucose pyrophosphorylase"Yeast. 18. 239-249 (2001)